良い子悪い子
最近、と言ってももう半年ぐらい前からだが、HANAというアーティストにハマっている。
HANAの魅力を語るにしては僕の文章能力はあまりに非力すぎると思うので、とりあえずYouTubeに上がっているNo No Girlsというオーディション番組を観て!と言うのが得策だろう。
ここで伝えたいことはHANAの魅力ではなく、オーディションでJISOOという候補生が綴ったリリックについてだ。
第4次審査では、自分の思いの丈や今までの人生で感じたこと、突きつけられた理不尽なNo、所謂HIPHOPの真髄である"己のこと"に関するリリック作成の審査が行われていた。そこで僕が共感、且つ共鳴したJISOOのリリックを抜粋する。
『There you go 良い子だね
いつも言われてたよね
良い子にしてたのに結局なんもないよね
もう待ってないよ
Bring me the lights, right here
ここから始まる New show
The best seat, There you go』
オーディションの一部始終、その後の活動、ラジオでのトークなどを拝見する限り、JISOOは真面目すぎて大人びた方だと認識している。そんな彼女の内側から飛び出たこのリリックに、僕は涙が止まらなかった。
全く同じことを思っていたからだ。
学生時代、僕は比較的良い子でいることを心がけて生きてきた。もちろん寝坊したこともあるし、常に100点を取り続けてきた訳ではない。
ただ、先生に目をつけられたり、ヤンキーだと言われたことは毛頭ない。なんなら学級委員の長を務めたこともあるし、体育祭では応援団、文化祭では実行委員に進んで手を挙げていた。
だが、卒業式で先生方が語るのは決まって不良生徒についてだ。
「よく卒業した。よくやった」なんて言葉が各教室の最後のHRで飛び交っていた。
良かれと思って良い子にしていたのに、結局評価されるのはマイナスから標準値のやや下に持ってきた生徒の方だ。僕が寝坊をすれば怠惰と取られ、ヤンキーが定刻に来れば更生したと褒められる。僕が卒業することは当たり前であり、ヤンキーが卒業することは褒めちぎられるほどの努力の賜物なのだ。
やってられない。けど、しょうがない。これはきっと、良い子でいようと決めた人の宿命なのだ。
そう思い続けてきた。JISOOも同じだったに違いない。いや、たとえ違かったとしても可愛いからもはやどっちでもいい。受け取り方次第。ファンとはこういうものだ。異論は認めます。
そんなことを考えながらも、だからといってヤンキーになろうなんて愚行をしなかったのは、そういう人間に育ててくれた父母の功績であり、僕の力だけではないのは確か。当時の僕には人道を外れようなんて思考は寸分もなく、選択肢すら存在していなかった。故に親に大感謝だ。
そんなmy親だが、「子供をヤンキーに成らせず偉かったね!」なんて褒められたことは1回もないだろう。
きっとテレビなどで取り上げられ讃えられるのは、ヤンキーになってしまった息子や娘から投げかけられる反抗的な暴言にも耐え、それでも見捨てず、苦労に苦労を重ね育て抜いた親の方だ。そしていつの日か更生した子供から「あの時の俺は間違っていた」なんていうHIPHOPの歌で親孝行され、それをスタジオで聴いた柴田理恵が涙を流すに違いない。JISOOのリリックを聴いた僕のように。
次の休みは、実家に帰ろかな。
