3ヶ月遅れの振り返り。2024年の“読んでよかった”本ベスト6
こんにちは、アイルランド在住のつぐみです。
気づけば2025年も3月。
……というタイミングで、2024年のベスト読書ログを今さら振り返ってみました。
遅れてもいいんです。振り返りも本も好きなんです。
小説・哲学・ビジネス・コミュ力などジャンルはバラバラだけど、どれも「読んでよかった!」と胸を張って言える6冊。
むしろ3ヶ月経った今だからこそ、記憶に残っている=本当に響いた本、なのかもしれません。
① 『侍』|遠藤周作
日本の侍が布教のためにメキシコ・スペインを旅し、異文化と信仰の狭間で葛藤する姿を描く。実在の人物、支倉常長をモデルに、17世紀の宗教・政治・個人の信念が交錯する重厚な歴史小説。
400年前の侍が、ただ黙って「お上」を信じていたように、 現代の私たちも、企業・政府・経済・科学……誰かが作った“物語”を信じて生きています。
でも、それらは決して絶対ではない。 400年も経てば、今の価値観なんて誰も信じていないかもしれないという虚無感や諦観を心地よく抱かせてくれる一冊。
自分の外に信念を求めすぎるのは危ういなーという“悟りモーメント”が訪れる、静かで深い物語。遠藤周作、さすが。
② 『ヤバい経済学』|スティーヴン・レヴィット & スティーヴン・ダブナー
“経済学”と聞くと難しそうですが、この本はむしろその逆。
「えっ、そんなとこに経済学使うの?」という着眼点が新鮮すぎて、読む手が止まりません。
身近にある不思議――たとえば「なぜ学校の成績が上がらないのか」とか「犯罪率はなぜ下がったのか」――を、経済学の視点からズバッと読み解く、知的エンタメ読書の決定版!世界の見え方がガラッと変わる驚きが満載です。
データをどう読むかで、私たちの常識がどれだけ当てにならないかがよく分かります。
原題は『Freakonomics』で、著者たちは同名の超人気Podcastも10年以上続けています。 「へぇ~」の連続で、知的好奇心を刺激されまくる一冊です!
③ 『最強のコミュ力のつくり方』|鈴木祐
「コミュニケーションがうまくいかないのは、あなたに魅力がないからだ」
という、まさかの結論から始まる一冊。なので、コミュ力がなくて落ち込んでるときに読むのはあまりおすすめできません(笑)。
とはいえ、さすがは鈴木祐さん。
ただの「耳が痛い本」では終わらせません。
本書では、
① そもそも“魅力”とは何か、
② 自分が伸ばすべきスキルはどこか、
③ それをどうやって鍛えるか、
という3ステップで、コミュ力向上の最短ルートを提示してくれます。
そもそも魅力が高いとは信頼性が高いということ。そして信頼性評価を下げる3つのポイントは、❶嘘が多い、❷感情が幼い、❸性格が悪いの3つ。自分がどれに当てはまるか理解し、その対策を行うのがこの本のアプローチ。自己診断テストもついていてわかりやすい。科学的な研究やエビデンスに基づいたトレーニング法を提示してくれているので、納得感がすごい。
ただトレーニングには難易度が高いものも多い。例えば、退屈な話をする相手に、つまらないけど聴くという自分の嘘を減らすために、「要点がわかりません、言いたいことは何か要約してください」とハッキリ言うとか。
これを実行できるかどうかは……メンタルの強さ次第。でもつい先日、友人が退屈な話ししている人にこれ言ってるの見たわ。私は退屈だけど聴いていたので、その友人をかっこいいなーと思ったのでした。
「自分の伝え方・人との関わり方を本気で変えたい」と思った人にこそ刺さる一冊ですね。
④ 『クララとお日様』|カズオ・イシグロ
ノーベル賞作家カズオ・イシグロが描く、心を揺さぶるAI時代の傑作小説。
AIが身近になった近未来。格差社会、環境汚染、人間関係の虚しさ……
現代の問題を織り込んだディストピア的な世界を、AIであるクララの視点から描きます。
人間とは何か、感情とは何か、信じるとはどういうことかを、AIの目線で問い直していく静かで深い物語。
ネタバレになるので言えないのですが、AI時代に避けられない問いに真正面から取り組んだ一冊であり、作者の出した答えには、ただただ「人間が生きるって、そういうことだよね」と胸が熱くなりました。
⑤ 『水中の哲学者たち』|永井玲衣
「哲学者=気難しそう」というイメージを、やさしく、ユーモラスに裏切ってくれる本。神様に見つけてもらいたくて祈りの時間にあごをしゃくれさせていた話とか、エレベーターの中で老婦人の白髪に乗った黄色い落ち葉を見て「たぬき?」と思った話とか、日記のようだけど、でも哲学的に世界を見つめるまなざしがとてもシュールで面白く、新鮮です。
哲学は、問いとともに、人とともに、生きること。答えを出すための道具じゃなく、解けない世界の不思議さに向き合う姿勢そのものが、哲学だと気づかされる。存在そのものに意味を求めず、ただ「ここにいる」ことを肯定するような優しい眼差し。「哲学って、こんなにおもしろくて、人間的なんだ」と驚かされた一冊。
哲学者だけどよく笑い、歩きながら笑いすぎて門松にぶつかるような人間らしさもまた著者の魅力。表紙も美しくて好き。
⑥ 『一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全』|ジュリー・スミス
精神的なストレスや不安に対処するための、包括的なメンタルケアガイド。
著者は、メンタルの不調を「マネジメント=管理」として捉え、
感情や思考を整理し、自分自身を整えるための具体的で実践的な方法を紹介しています。
自信を失ったとき、ストレスで心が乱れたとき、心が満たされないときなど、シチュエーション別にネガティブな感情との向き合い方と対処法が丁寧にまとめられており、
感情に振り回されがちなときの“地図”のような存在になります。
本書の基本スタンスは、ネガティブな感情を否定せず、
「受け入れて流す」「他のことにスポットライトを当てる」「気分を切り替える」といった柔らかくもしなやかなアプローチ。
また、思考のバイアスに気づき整理する方法や、日常で使える切り替えテクニックも豊富です。
メンタルケアに詳しい方には、重複する内容や既知の情報も多いかもしれませんが、特に「自信を失った時」の章には刺さるトピックが多く、心がざわつく時に、繰り返し手に取りたくなる一冊でした。
まとめ:問いがあるから、読書は豊かになる
2024年は、100冊読んだ。その中からベストと思える6冊に共通していたのは、明確な「問い」を投げかけていることでした。(メンタルマネジメント大全は違うかも)。それは、社会に向けて、自分に向けて、人間そのものに向けて。
本当に心に残る名著とは、答えを与えるものではなく、問いを通じて気づきや新たな視点をもたらしてくれるものなんだな、と改めて実感しました。
それぞれ違った角度から「問い」を届けてくれたことに感謝。今年も問いを持ちながら、本を読み続けていきたいです。今年ちょっと読書ペースが遅いけど、気を取り直して読んでいこうと思います。
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