✴️1周回った先に見える「音楽の正体」——🎸プロからアマチュア、そして『中学生以下の自分』へ🎤✴️
音楽の世界で生きてきた人間が、一度現場を離れ、再び「ゼロ」から音を鳴らそうとしたとき、そこには残酷なまでの現実が待っています。
かつてはプロとしてボーカリストに任せていた歌も、スタッフが整えてくれていたレコーディングも、今はすべて自分の両肩にかかってくる。
かつての機材を売り払い、限られた環境で格闘した私が辿り着いた、今の音楽シーンへの視点と、若い世代へ伝えたい「ヒント」を綴ります。
1. 「便利すぎる時代」が失ったもの、ジミヘンが持っていたもの
今の若い世代のレベルは、驚くほど高い。ネットを開けば3分でテクニックの解説動画が見つかり、タブ譜も瞬時に手に入る。
私たちが楽譜すら手に入らず、耳を皿のようにして音を探していた時代とは大違いです。
しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。なぜ、これほど便利な時代になっても、ビートルズやジミ・ヘンドリックスが鳴らしたあの「衝撃」を超えられないのか。
タブ譜も存在しなかった時代、ジミヘンはどうやってギターを覚えたのか。
それはおそらく、「正解」を探す作業ではなく、自分の内側から鳴る「異常なまでの欲求」を音に翻訳する作業だったからです。
情報がないからこそ、彼らは自分の耳と身体だけで宇宙を構築するしかなかった。便利さはスキルを上げますが、時として「飢え」を奪ってしまうのかもしれません。
2. 「プロ」という看板を下ろして見えた、中学生レベルの自分
長年プロの領域で作曲や演奏をしてきたプライドが、1からフリーで活動を始めた瞬間に粉砕されました。
親の介護などの生活環境で機材も失い、しょぼい機材をかき集めて練習する日々。
ミックスもレコーディングも、かつてはプロのスタッフに任せていた工程を自分一人でこなそうとすれば、クオリティは「中学生以下」まで落ち込みました。
しかし、この「レベルが低くなった自分」を受け入れたとき、不思議と楽になれました。
プロとアマチュアの違い。それは「責任と結果」の有無ですが、アマチュアの最大のメリットは**「どれだけ無様でも、誰にも文句を言われない自由」**にあります。
100点満点のミックスができなくても、今の自分にしか出せない「しょぼいけど愛おしい音」があることに気づけるのです。
3. 次の世代へ:完成度より「何かやりたい」という熱量を
私は年齢的にも「引退」を意識する年になりました。今の若い人たちのように、最初から完璧なクオリティでアウトプットできる才能は、本当に素晴らしい。
でも、もしあなたが「上手く作らなきゃ」というプレッシャーで動けなくなっているなら、この言葉を思い出してください。
「クオリティが中学生以下でも、何かを形にしたいという情熱だけで、人は動ける」
完璧な機材がなくても、歌ったことがなくても、ゼロから立ち上がって音を鳴らす行為そのものが、音楽の本質です。
プロの看板を捨て、プライドを削ぎ落とした先にある「気楽な音楽」。それこそが、実は最も贅沢な表現活動なのかもしれません。
