【#01】人生を賭けた〝恩返し〟〜INNER SHIFT誕生の秘密〜|INNER SHIFTの〝カクシゴト〟
この文章は5〜8分程度で読めます。
この回は僕の決意表明のエッセイです。
読んでいただければ、僕がこのコンテンツにかける想いを知っていただけると思います。
僕がここで何をしたいのか、その本質的な理由をお伝えしています。
ぜひ最後まで読んでみてください。
自分が信じる「誠実さ」と、世の中が求める「正しさ」。
その、どうしようもない、ズレの中で、僕は、ずっと、生きてきました。
「効率が最優先。効率的に利益を上げられる者が優秀」という周りの声と、
「非効率でも、見えない部分に一手間をかけることがより良いサービスにつながる」という自分の気持ち。
「新規開拓をしてどんどん顧客を増やせ」という周りの声と、
「目先の利益より、時間をかけて信頼を築き上げることが大切」という自分の気持ち。
僕が、ずっと、大切にしてきたことは、いつも「考えが甘い」と、一蹴されました。
決して周りの声が間違っているとは思わない。
でも、僕の感覚も間違ってはないと思う。
自分なりのやり方で、それなりの成果を出してきました。
でも、周りからは考え方を強制される。
ずっと、生きにくいと感じていました。
そしていつしか、僕は自分の気持ちを隠し、周りに合わせるようになっていました。
そんな時、仕事の関係で偶然、伝統産業に関わることになりました。
そこで最初に会ったのが、手描き友禅の染匠、吉田さんです。
仕事の話が終わった後、僕は個人的な興味で、彼の仕事について話を聞きました。
お客さんは専門家じゃないから、誤魔してもわからない部分もある。
でも、自分は絶対にその選択はしない。
それよりも「もうちょっと何とかできないか」と、時にはお客さんの要望を超えて、心を尽くすこともある。
それは、信頼を築くためにはとても大切なことなんだ。
やろうと思えばできるけど、中抜きはしない。
その代わり、値引きもしない。
自分が決めた手間賃だけは、誇りを持って受け取ると決めている。
元は新しいキモノを作るのがメインだったが、今は誰もが嫌がる「悉皆(しっかい)」という、古い着物を甦らせる仕事にあえて挑んでいる。
それは、過去にキモノ業界がしたことに対する、自分なりの責任の取り方。
バブルの頃、目先の利益を優先して、古いキモノを直すよりも、新しいキモノを売ることをみんなが率先してやっていた。
それが、キモノ業界の衰退を招く原因の一つになった。
専門家である自分たちが、キモノが持つ本来の価値を無視した結果、今やキモノは〝伝統産業〟という〝衰退産業〟の太鼓判をもらう業界になった。
キモノの本来の価値を伝える。
そのために、悉皆をしている。
そんな話を、聞きました。
衝撃でした。
僕が、ずっと一人で正しいと信じてきた、あの非効率な一手間や、誠実な向き合い方。
それが、彼の世界では、全ての「土台」として、当たり前に存在していたのです。
吉田さんの話は、僕の大切にしてきたことを優しく包み込んでくれました。
僕の生き方は、間違っていなかった。
僕にとって、それは自分の感覚を初めて肯定された瞬間でした。
そして吉田さんは最後に、こう話してくれました。
「本当に受け継ぐべきは、〝志〟。時代が変われば産業は変わる。自分たちが引き継いできたこの仕事に対する〝志〟は、ジャンルを超えて後世に引き継がれていくと信じている」
僕は、吉田さんの話を聞いて、「自分が吉田さんの〝志〟を引き継ぐ後継者の一人になりたい」と思いました。
この、当たり前だけど、忘れ去られようとしている「在り方」を、伝えたい。
僕の周りには、この考え方を肯定してくれる人はいませんでした。
でも、世の中にはきっと僕と同じように、生きづらさを感じている人はいるはず。
その人たちと繋がりたい。そして、「その考えは間違っていない」と伝えたい。
吉田さんと、吉田さんから紹介されて話を聞いた何人もの人たちが、その感覚が間違いではないと証明してくれる、生き証人です。
僕は、手描き友禅の染匠でもないし、華道家でも刀剣研師でも作庭家でもない。
でも、彼らは僕の師匠なんです。
技術は引き継げなくても、〝志〟は引き継げる。
それが、このINNER SHIFTを始めようと思った、本当の理由です。
といえば、聞こえはいいんですが、やると決意はしたものの、行動に移すにはいくつものハードルがありました。
僕は元々企画屋です。
企業や商品、サービスの本質的な魅力を伝えるための企画を組み立てる裏方の仕事なので、表舞台に立つことはほとんどありません。
SNSで自分の生の感覚を発信するのは元々苦手だし、声に自信があるわけでもないから、音声配信なんて考えたこともありませんでした。
何より、いちばん大きかったのは「周りに賛同者がいない」ということでした。
友人に相談しても、「説教くさくなるからやめたほうがいい」「ビジネスモデルを考えてからの方がいい」という意見がほとんど。
みんな僕のことを考えての意見なので、とてもありがたい。でも、僕の中では心理的なブレーキがかかる。
思考がぐるぐるして、いざ始めるとなると、自分の中で、できない理由が次々と出てきます。
最初の記事の公開や音声配信までには、本当に、めちゃくちゃ悩みました。
でも、そんな僕の背中を押してくれたのは、Ep01で紹介した金彩師の殿村さんでした。
彼にこのプロジェクトの報告に行った時のこと、話をしている中でふと、思ったんです。
殿村さんは、誰の賛同も得ないで、自分がやりたいようにやっている、と。
その瞬間、肩の荷が降りたような感覚になりました。
今まではクライアントありきで、誰かの希望を叶えるために考えて動くことしかしてこなかった。
でも、これは僕がやりたいこと。だから僕自身がクライアント。
誰の賛同もなくていい。やりたいようにやればいいんだって。
正直にいうと、今も僕は不安でいっぱいです(笑)。
立ち上げたばかりなので、現在も賛同してくれている人は、ほぼゼロです。
誰にも賛同を得ずに、自分がやりたいからやる。
こんな挑戦は、僕にとって初めての経験です。
怖くないというと嘘になる。でも、同時に期待も大きい。
ドキドキとワクワクが入り混じった感覚。
そんな想いで、今、この文章を書いています。
ここまで、僕の独り言のような告白に付き合ってくれて、本当に有難うございます。
そんなあなたに、伝えたいことがあります。
このプロジェクトは、僕の**〝恩返し〟**なんです。
僕がこのINNER SHIFTで目指すのは、ただ一つ。
僕の生き方を肯定してくれた、不器用で誠実な、僕の〝魂の師匠〟たち。
彼らの「志」や「在り方」が、世の中から「価値がある」と認められること。
そして、「あなたの〝志〟を引き継ぐ人たちが、こんなに集まりました」と、報告したいのです。
それが、彼らに対して僕ができる、唯一の恩返しだと思っています。
だから、このINNER SHIFTに共感する人を、たくさん集めたい。
そこで、あなたにお願いがあります。
もし、この物語に共感してくれたのなら、あなたにも〝魂の後継者〟になってほしいんです。
そしてどうか、彼らへの「〝恩返し〟の共犯者」になってください。
僕には時間がありません。
吉田さんをはじめ、僕がお世話になっている彼らの多くは、70歳を超えています。
紹介する人たちの中には、お話を伺った後に、亡くなられている方もいます。
吉田さんに相談した時、彼は笑いながら、こう言いました。
「なんでも協力するよ。でも、早よせな死ぬで。」
僕は今、本気で焦っています。
僕は今、ひとりぼっちです。
一人でも続けていく覚悟はあるけど、一人ではできることに限界がある。
だから、あなたの協力が必要です。
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「よかったよ」だけでも充分です。
そして、一人でも多くの人に届くように、共感してくれそうな人に、シェアをしてもらえたら、本当に嬉しいです。
あなたが、仲間になってくれることを、心から楽しみにしています。
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