【CCNP ENARSI】マルチエリアOSPFのLSAを「ルート表記」から逆算して最短理解する(Type1/2/3/4/5/7)
OSPFが難しく感じるのは、コマンドや用語が多いからではなく、頭の中で情報が分断されているからです。
LSAは何を運ぶ?
誰が作る?
どこまで流れる?
それがルーティングテーブルで O / O IA / O E1… のどれになる?
この「変換ルール」がつながると、OSPFは暗記科目ではなく、現象の読み替え問題になります。
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まず全体像:OSPFは「LSAで地図を作り、地図からルートを計算する」
OSPFはLSA(Link State Advertisement)を交換し、LSDB(Link State Database)=“ネットワーク地図”を作ります。各ルータはLSDBを元にSPF計算してルーティングテーブルを作る、という流れです。
そしてマルチエリアになると、地図の作り方が2段構えになります。
エリア内:インターフェイスまで含む“詳細地図”
エリア間:要約された“広域地図”
この切り替えを担うのが、Type3/4あたりです。
ルート表記から逆算すると一気に整理できる
CCNPで強いのは、「LSAタイプ → ルート表記」を丸暗記するより、ルート表記を見てLSAを逆算できることです。資料でもルーティングテーブル表示が整理されています。
O(intra-area):Type1/Type2の世界(エリア内)
O IA(inter-area):Type3の世界(ABRが運ぶ)
O E1 / O E2:Type5の世界(ASBRが外部を運ぶ)
O N1 / O N2:Type7の世界(NSSA内の外部) Source
この対応を起点に、各LSAを“役者(生成元)と通行証(伝播範囲)”で押さえます。
Type1:ルータLSA(Router LSA)=「エリア内の詳細地図の主食」

誰が作る?:全OSPFルータ
どこまで流れる?:同一エリア内(エリアを越えない)
何を運ぶ?:ルータID、リンク数、インターフェイス詳細など(自分の接続情報そのもの
試験で効く理解
Type1は「自分が見ている世界」をエリア内に共有します。だから、ここが作る世界は O(intra-area) です。
マルチエリアの設問でも「それってエリア内の話?エリア間の話?」を切るだけで正答率が上がります。
Type2:ネットワークLSA(Network LSA)=「マルチアクセスを一枚にまとめる係」

誰が作る?:DR(Designated Router)
どこまで流れる?:同一エリア内
何を運ぶ?:DRのルータID、DRのIP、同一セグメント上の他ルータIDなど
試験で効く理解
Type2は「Ethernetみたいに複数ルータが同居する場所」を、DRが代表して“接続関係”として描きます。
ここで問われるのは細部よりも、まず 「Type2=DRが生成」 を言い切れるかどうかです。 Source
Type3:サマリーLSA(Summary LSA)=「エリア間の道路標識」

誰が作る?:ABR
どこまで流れる?:全エリア(他エリアへ渡す)
何を運ぶ?:エリアの要約ネットワーク情報やコスト Source
ここがマルチエリアOSPFの核心
エリア外のルータは、別エリアのType1/2(詳細地図)までは基本見ません。代わりにABRが「この先にこのネットワークがあるよ」と要約して渡す。それがType3です。
だからルーティングテーブルに O IA が見えたら、ほぼ「Type3の世界にいる」と判断できます。
Type4:ASBRサマリーLSA=「外部経路(Type5)に辿り着くための案内板」

誰が作る?:ABR
どこまで流れる?:ASBRが属するエリア以外
何を運ぶ?:ASBRのルータIDやコスト
さらに資料で重要な生成ロジックを明記しています。
ABRはType1から得たASBRの情報をもとにType4を生成する
トラブルシュートで“効く”ポイント
外部経路(Type5)は「どのネットワークが外部か」を運ぶだけで、ASBRへどう行くかは別問題です。
その“ASBRへ行く道”を他エリアに教えるのがType4なので、設問や実務でありがちなのがこれ:
Type5は見えるのに、他エリアから外部宛ての到達性が変
→ まずType4(ASBRへの到達情報)が成立しているか疑う
この発想があると、OSPFの外部経路問題が一段ラクになります。
Type5:AS外部LSA(AS External LSA)=「OSPFドメイン外の経路を持ち込む」

誰が作る?:ASBR
どこまで流れる?:全エリア(ただしNSSAを除く)
何を運ぶ?:OSPFドメイン外の再配送された経路情報など Source
CCNPでの“得点源”はE1/E2の理解
外部ルート(Type5/Type7)にはメトリックタイプが2つあります。資料の定義は非常にシンプルです。
E1(= Type1):基準値(20) + ドメイン内コスト(内部コストも加算)
E2(= Type2):基準値(20)のまま(内部コストを加算しない)
例(イメージ)
ASBRまでの内部コストが「5」のルータが外部経路を学習した場合
E1なら:20 + 5 = 25
E2なら:20(内部の“距離差”が見えづらい)
試験では「E2がデフォルト」「複数ASBRがあるとE1の方が設計意図に合う」などの文脈で問われやすいです(※ここはベンダ実装や設計文脈での出題)。資料上の核は“加算する/しない”です。
Type7:NSSA外部LSA=「NSSA内で外部を運ぶための代替LSA」

誰が作る?:NSSAエリア内のASBR
どこまで流れる?:NSSA / トータリーNSSA内
何を運ぶ?:外部経路(再配送)情報(Type5の代替)
NSSAの“制約”を言語化できると強い
資料でも明確に書かれている通り、
NSSAはType5を受け入れない特殊なスタブエリア
だから代替としてType7を使う
そして ABRがType7をType5へ変換して NSSA外へ伝播させる
この変換が理解できると、NSSA関連の設問が“文章問題”になります(暗記より圧倒的に速い)。
LSAタイプ一覧表

ここまで理解した人へ:CCNPを最短で通すなら「通信の動き」で固める
市販本の弱点は「通信の動きがイメージできない」ことです。
OSPFはまさに、パケットがどう動き、どの情報がどこまで流れ、どの表示になるかを“動画/図”で固めると一気に伸びます。
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最後に:同一宛先を複数のLSAで学習したら、どれを選ぶ?

ルートの優先順位(同一ネットワーク情報を異なるLSAで学習した場合)は次の通り整理されています。ここは経路選択問題で直撃します。
intra-area(O)
inter-area(O IA)
external Type1(O E1 / N1)
external Type2(O E2 / N2)
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
