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VMwareから移行すべき? 情シスが整理したい選択肢と判断ポイント

近年、VMwareを取り巻く環境が大きく変化しています。Broadcomによるライセンス体系の変更、旧バージョンのサポート期限が重なっていることで、「VMwareを残すか、入れ替えるか?」と判断に悩む機会が増えているのです。そこで本noteでは、VMwareの課題と主な選択肢について取り上げます。
なお、このnoteは主に中堅・中小規模の企業の新任情シス・兼任情シス向けの内容です。


1.なぜ今、VMware移行が話題になるのか? ITインフラ全体の運用にも波及

企業のITインフラ担当者にとって、VMwareが“大きな話題”となったきっかけは、2023年11月にBroadcomによるVMware買収が完了したことにあります。

買収後、仮想化基盤であるVMware vSphereの提供形態や契約の考え方が大きく変わり、日本でも「これまでと同じ前提では更新できない」と受け止めた企業は少なくありません。こうした変化は、ライセンス体系の見直しやサブスクリプション化などを通じて、結果的に多くの企業にコスト増として意識されるようになりました。

ただ、現場にとって気がかりなのは、ライセンスの問題だけではありません。2026年度には、VMware vSphereの契約見直しや現行環境のサポート期限への対応に加え、Windows Server 2016などのOS更改に伴い物理サーバ更新の時期も重なる企業も多いと見られ、仮想化基盤だけを切り離して考えにくい状況になっています。

2026年度は、インフラ担当者にとって予算や人員が限られた中、契約、ハードウェア、OS、運用体制をまとめて見直さなければならない年だと言えます。そのため、2026年度の情シスには、どこまで今年対応できるのか、何は先送りできるのか、そして何を別の基盤へ移すべきなのかも検討しながら、全体を見て判断することが求められています。

※本noteでは、 VMware や Hyper-V、Nutanix AHV、KVM などを、総じて「仮想化基盤」として扱います。厳密にはハイパーバイザーを指す場合もありますが、ここでは管理機能や運用面を含めた基盤全体を指す言葉として用います。

 2.VMwareの移行先はどう考える? 主な仮想化基盤と配置形態の違い

VMware vSphere利用企業にとって、今後、どのような選択肢があるのでしょうか。大きく分けると、下図のように「継続利用」「クラウド移行」「他社のオンプレミス製品に移行」といった選択肢があります。 

ここでは、VMware vSphereから、他社のオンプレミス製品に移行を決めた場合の選択肢を整理しましょう。移行先の仮想化基盤としては、Hyper-VやNutanix AHV、KVMなどが候補になります。いずれも、VMwareからの移行では設計や運用の考え方が変わる部分もあると考えられ、既存システムとの適合性を見ながら判断することが重要です。

Hyper-V

Hyper-Vは、Microsoftが提供する仮想化基盤です。Windows Server やMicrosoft 製品との親和性が高いのが特長です。例えば、Active Directory やSystem Centerなど既存のMicrosoft環境と組み合わせやすく、Windows中心の社内システムでの運用に適しています。
また、将来的にAzureを活用したクラウド化や、オンプレミス環境を維持しながら一部のシステムをAzureへ移行するといった展開も視野に入れやすい基盤です。

Nutanix AHV

Nutanixが提供する仮想化基盤で、HCIと一体で利用できるのが特長です。Nutanix(HCI)と一体で利用できることから、費用面でも注目を集めている仮想化基盤の1つです。
仮想化基盤とストレージ、管理機能をまとめて扱いやすく、運用をシンプルにしたい企業にとって有力な選択肢とされています。

KVM系の仮想化基盤

KVMは、Linuxで広く使われているオープンソースの仮想化基盤です。柔軟性が高く、OSSベースで仮想化環境を整えたい企業にとって有力な選択肢の1つです。
一方で、導入や運用にはLinuxや周辺ソフトウェアを含めた設計・管理の知識が必要になります。自社で対応できる体制があること、もしくは支援できるパートナーがいることが求められます。

上記で取り上げたHyper-V、Nutanix AHV、KVM系それぞれについて整理すると下表のようになります。

▲VMwareからの移行先候補となる仮想化基盤の比較表

 3.移行先選定のポイント、自社に合う仮想化基盤を見極めるために

ここでは、代表的な3つの仮想化基盤を紹介しましたが、自社に合う製品を選ぶには、機能だけでなく、運用面や将来的な活用まで含めて考える必要があります。

また、移行先を考える際には、製品比較から入るのではなく、まず「自社のシステムを今後どのような形で運用していくのか」を整理することが重要です。引き続きオンプレミスで運用するのが適しているのか、クラウドへ集約したほうがよいのかを見極めたうえで、必要に応じて仮想化基盤の種類や具体的な移行先を検討するほうが、判断しやすくなります。

例えば、「Windows 中心の環境で部分的に Azure を利用している。将来的にはAzure でのハイブリッドクラウド環境を検討している」という場合であれば、Hyper-V を利用する選択も効果的でしょう。仮想化基盤を選ぶ際には、次のような観点を押さえておきたいところです。

・既存システムや運用体制と無理なくつながるか
・将来的なクラウド活用や拡張性に対応しやすいか
・導入後も自社、またはパートナーと安定して運用できるか

また、移行先を選ぶには自社の現状を把握することが重要です。例えば、次のような点を確認しておくとよいでしょう。

 □どのシステムが現在の仮想化基盤上で動いているか
 □それぞれのシステムに、どの程度の性能や容量が求められるか
 □バックアップや災害対策(BCP)に関する要件がどうなっているか
 □停止しにくい重要システムが含まれていないか
 □現在の運用・保守体制で、移行後も無理なく管理できるか

こうした前提を整理しないまま比較を始めると、結果として自社に合わない選定につながるおそれがあります。自社環境をアセスメントし、現状を正しく把握することが移行の第一歩です。もし、自社だけではアセスメントが難しいという場合には、信頼できるパートナーのサービスを利用することも検討してはいかがでしょうか。 

おわりに

今回は、VMware環境からの移行を検討する方に向け、主な選択肢と移行を考える際のポイントについて紹介しました。重要なのは、価格や流行だけで判断せず、自社環境に合った製品を選ぶことです。まずは、現状を把握して、自社に合った移行先を見つけるためにもぜひ、このnoteを参考にしてみてはいかがでしょうか。

もし社内だけでの検討・移行が困難な場合は、アウトソーシングも一案です。最適なパートナーとともに進めることで、移行そのものだけでなく、移行後の安定運用も見据えて進めることができるのではないでしょうか。

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