SS|アスの紙|トイレットペーパードライバー
#毎週ショートショートnote
#トイレットペーパードライバー
アスの紙
(410字)
彼は用を足した後、便座に腰掛けたまま二本の操作レバーを握りしめた。
前方のマルチモニターに映る細いアームを繊細に操縦する。
アームが掴む白い紙が、絶妙な圧力で臀部を撫で、付着した水滴を吸い上げた。
「まずまず」と呟きながら、彼は自らの尻の感覚を言語化し、キーボードで入力した。
「彼は毎日その『大きな仕事』を続けました。あれから十年、彼の遺した紙技、いや神技が皆様に先ほど体験頂いた、当社のスマートボトムワイパーの教師データとなったのです。かつて社員の多くが他人の尻を拭くのを拒む中、『では私が私の尻を拭います』と彼は言いました。そのおかげで私達は、一仕事終えた後、自らの手を汚すことから解放されたのです。やがては、誰も自分のお尻を拭くことができないというアス…いや明日が来るかもしれません。まさにトイレットペーパードライバーですな」
……ジャー
「失礼。品のない話を水に流したところで、次はオートパンツドレッサーのブースへどうぞ」
(了)
あとがき
どうも、緑山イナエです。
こちらの企画に参加させて頂きました。
企画運営ありがとうございます!
400字くらいにまとめるって難しいですね。
説明を最小限に抑えつつ、
プロットに動きを与える練習になっている気がします。
トイレに関する話はいつか書いてみたいと思っていたので、自分にとってはやりやすいお題だったかも。
自分が面白い、
と思える物語を書く。
そのスタンスで淡々と続けていこう。
assも…いや明日も。
…失礼、いたしました。
お読みいただきありがとうございました!
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(note創作大賞用)
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