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学校を撤収した日、私たちはホームスクーリングへの一歩を踏み出した。 #未来に向けた挑戦

「ママ、疲れた。早退する」

2025年の9月頃から、
コーテ(息子)は、頻繁に
そう口にするようになった。

放課後、小学校にお迎えに行っては
泣く日々。

学校から帰ると、
「楽しかった!」
と決まって言っていたのに、
何があったのだろう?

理由なんて後からついて来る。
まずは我が子の「心」を救うことが
最優先だ。

支援教室の先生に事前に手紙を渡し、
コーテを迎えに行くため、
鼻息を荒くしながら
スタスタと小学校の廊下を歩いた。

真冬の廊下の冷たさが瞬時に
私の靴下を通過し、
全身に駆け巡った。

教室に着くと、
浮かない表情をしたコーテが、
ゆっくりとランドセルに教科書を
しまっていた。

「失礼します!」

勢いよく息子の机へ向かう私。

『撤収!!!』

心の中で叫び、
これでもかというほど、
大荷物を両手いっぱいに抱えた。

先生に挨拶を済ませ、
震えながらコーテの小さな手を引っ張った。


翌朝、
コーテはベッドから
起き上がれなくなってしまった。

私「よし! 今日からずっと冬休みだよ」
コーテ「ずっとなの?」
私「うん。何がしたい?」
コーテ「えーっと...…電車に乗る!」

我が家流の「ホームスクーリング」が
始まった瞬間だった。


私「電車に乗って、どこに行きたいの?」
コーテ「アナウンスの旅がいい」
私「アナウンスの旅?」
コーテ「A駅のアナウンスを聞きたい」
私「よし! じゃあ、行ってみよう!」


コーテの頭の中には、
電車の路線図が入っている。

Googleマップで調べるよりも速く、
どの電車に乗れば座れるかも分かる。

数日後、最寄りの駅に到着すると、
コーテはキリッとした表情で私を見る。

「ママ、B駅で乗り換えるよ!」
「はいはい」

電車に乗ると、振動が心地良くて、
ついうとうとする私。

「ママ、おりるよ!」

電車やバスのこととなると、
息子が頼もしく見えるのはなぜだろう。

電車を乗り継ぎ、
A駅に到着してアナウンスを堪能する。

「A駅とC駅のアナウンス、同じだね!」
「違いが分かるなんて、すごいじゃん!」

はにかんで見せるコーテ。

「次は、成田駅に行くよ」
「コーテ、疲れてないの?」
「疲れてない」

電車のこととなると
体力が無限になるコーテに、
私の腰が悲鳴を上げ続けた。

その日の夜。

「ダディー。今日乗った電車はね...…」

夫の膝の上で、
興奮しながら話すコーテに、
夫の目尻は下がりっぱなしだ。

「じゃあ、疲れたから先にベッドに行くね」

眠い目をこすりながら
夫に育児をバトンタッチをすると、
寝室のベッドで横になった。

自主学習が大好きなコーテのために、
毎晩タブレットで漢字クイズを作成するが、
この日は疲れて作ってあげられなかった。

申し訳ない気持ちで一杯になっていると、
勢いよく階段を上る
コーテの足音が聞こえた。

「はい、どうぞ」

タブレットを差し出すコーテ。

視線をタブレットに落とすと、
か細い線から力強さが滲み出ていた。



コーテが一人で精一杯書いた「成田」。

あなたは息子が書いたこの漢字を、
どう評価しますか?

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