#25_養蚕の想い出に耳を傾ける

岩手県水沢市出身の方から養蚕について
お話をうかがう機会がありました。

子供のころでよく覚えてないけれど
おじいさんやおばあさんが夜中に何度も起きて
お蚕さんの部屋の温度をみるの

今みたいに摂氏じゃなく、華氏の温度計で。

2階の部屋の畳をはがして
板の間にお蚕さんの棚をおいて、
まわりに火鉢を三個おいて。

お蚕さんの部屋と自分たちの部屋を分けるから
2階に3部屋は必要なのね。

ほんとに小さい虫のときは、
桑の葉を細かくしてからあげるの。
大きくなったらそのままの葉っぱで。

蚕は桑の葉しか食べない。一日三回与える。

それでお蚕さんが一斉に葉っぱを
食べると、雨がサーっ降るような音がして。

1キロの生糸を採るには蚕6600匹の繭が
必要でね。

このお話をしてくれたのは元上司です。
このとき御年93歳!

出会った当時わたしは新入社員、上司は
定年まであと数年のお局さまという関係。

仕事の合間に思い出話として
家にお手伝いさんが、蔵が、女学校を出て、
という話を若かったこともあり
半信半疑で聞いた時代もありました。

改めてお元気なうちに
養蚕のお話を伺えてよかったです。


昭和39年、ちょうど東京オリンピックを境に
安価な生糸が入ってきたため、国内の養蚕業は
急速に勢いを失いました。

遠野でお蚕さんをあづかう(飼う)お宅は多くありましたが
次第に減り、さいごは観光施設である伝承園だけに。
それもコロナ禍により断念されました。

もう市内にお蚕さんの姿はありませんが、
養蚕の神さまオシラサマの信仰は現在も続いております。




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