【本紹介】孫 泰蔵: 冒険の書 AI時代のアンラーニング
□紹介する本
冒険の書 AI時代のアンラーニング
孫 泰蔵 (著), あけたらしろめ (イラスト), 2023/2/16
日経BP
□メモ
メリトクラシー (Meritocracy)
↳能力を指標にのせて評価する。
例えば,
IQ
テストによる評価。
学歴
資格
業績
資産
全ての定量的指標は競争原理にあって,人を不幸にいざなう。
→自分たちの可能性にフタをしてしまう。
アンラーニング,Unlearning の意味:
子供/大人の区別をやめて,
世代・立場をまたぐコミュニケーションの重要性を学ぶ
問い続ける・探求を続ける
→ 自分の試したいこと、登りたい山を登って楽しむ
「世界は自分たちの手で変えられる」という主体感を持つことに繋げる.
□私とAIとの関わり(個人的メモ)
色々な思想,思考がAIツールに触れるたびにとんできて,頭の中の整理が追いつかない状態が続いている.
文章化しつつ,考えたことを記録しながら,試していく.
誰かに発信もしながら,自分とも向き合っていく.
最近は研究もしつつ,考えがあちこち飛んでいくので,日常生活も厳しくなっている,忘れ物も多い.
Stable diffusion
→ どのような絵を見せかけるのか?
→ どうバランスを定めたら、より自分好みの画像が得られるのか?
このように,時々,抱え込んだ問いを書き出さないと,すぐに次から次へと浮かんできて,その前にしていたことを忘れがちである.
「そこに山があるから登った」→ イノベーションの源流
分ける / 分かる
物事を知覚し,内的世界に持ち込む.
持ち込んだものを分割してその関係を明確にすること.
そして,一から作れるようになれば,「分かる」ということ.
□書評
自分としてはかなり肯定的にこの本を読んでいて、随時立ち止まって自らのこれまでの行動と照らし合わせ、考えながら読み終えた。
自分を含め、これまでの価値観はメリトクラシーに縛られてきたが、今後はこの考えをもっと改めたいと感じた。
メリトクラシーによって個人の可能性、何より自らの可能性に蓋をすることをやめなくてはならないと思わされた。
大人と子供といった、年齢による可能性への蓋も含めて、それらの蓋を開けて、壁を壊して、互いに意見を聞いて、面白いアイディアを楽しむ世界を目指すことを指南する本。
・価値の変化
人間同士だけでなく、自然界全ての立場に立って考える。
その時に考えうる価値の一つは、後世に何を引き継げるかだろう。
これまでの人間中心の立場だけではなく、全ての生命の立場に立って、後世に何を引き継ぐことができるだろうか。
・恩返しの間違い
誰かに何かしてもらったらお返ししなくてはならないという考えは、逆に言えば、
何かしてもらわないと何もしないで良い。
何もなくても、誰かのためにできることを考える。
一方で善と悪とは何か?善は自らのためにやってないか?悪の方が本来は救われるのではないかという教えがある。
・無用之用
役に立つとか立たないとかは、現在の価値観で決まるもの。未来ではその価値観は変化し、何が役立つか、大事かはわからない。
イノベーションはそこに山があるから登ってみたという好奇心で起こる。
(Winnyの金子勇氏もその様な話だった)
もう少し、これについて、考えたこと…
なぜ役に立つか立たないかとか考え始めたのか…個人的に感じたのは、
自分達の存在価値、自分のやっていることの重要性を他人に認めてほしいという願望が無意識のうちにこの習慣をつけさせた様に思う。承認欲求によるものだろう。
・アンラーニング
互いの意見を聞く上では、これまでの学んできた知識ではなく、自らの考えを持つことが重視される。
その意味でアンラーニングが起こる。
知識で武装するというのは、滑稽なのだ。何に価値を見出して、どう思うか、考えるか、その人個人の意見が重視される。
これまでの知識はそれらを問い、深める上での、すなわち、探究する上での材料として用いる。
・批判
このアンラーニングの思想に対して,考えられる批判は,やはり著者は経営者,起業家であり,技術者・研究者目線での視野が足りないことだろう.
問題解決のための道具を知った上で、どこからが解決可能な問題か、わかっているかわかっていないのかを明確にしておく必要があり、そのためには限られた問いの中だけで進むことは難しいのではないか?
つまり、自分達のできる範囲に落とし込む、まずはその技術的制約が掛かっている範囲で進めるという視点も実際には必要。
その結果子供との議論にはなかなかハードルはあるだろう。
以下の批評もあり得るだろうと感じながら読んだ。
やはり同様の批判がある。(Amazon レビュー等参照.)
しかし、著者の言いたいことは、世界を幸せにするかどうかは、私たちの行動、考え方次第、まずは自らの可能性を信じて世界を楽しもうという話でもあるから、このような批評で自らに蓋をしてしまうのは勿体無い話ではある。
#読了日
23/03/13
