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1人息子を、勘当した日。(その6)


医療系3年制短大の半年間休学も決まり、その間の息子の過ごし方も安定してきた9月〜10月。
今の第一目標は復学、厳しい道であることはわかってるけど頑張る」との言葉を本人からもらい、今後の必要経費が多少不安な範囲内に入ってきた私は、在宅ワークを探しつつ息子と主にLINEで他愛ないやり取りをしながら自宅室内飼いのお犬さまと一緒に過ごしていた。

そんなとき、嵐は突然やってきた。
10月半ば、息子から突然「やっぱり医療系は辞めて、エンタメ業界、特に特撮やアニメを作る業界に行きたい」と言ってきたのである。

はぁぁぁぁぁっ?!?!?!


元々息子は特撮業界のいわゆる「大きなおともだち」だった。
中3の年がちょうどコロナ禍(つまり2020年)で、在宅で動画やTVを観る機会が増えたことで、昔もスーパー戦隊のおもちゃの刀を振り回して帰宅したての旦那に斬りかかるという極めて正統な男子をやってた血が再び騒ぎだしたのか、どっぷりニチ●サ民になってしまった。
まぁそれについては趣味の範囲内としてなら可愛いものだと思い、私も一緒に観てたりしたので批判するつもりはない。
ちなみに私もこの時期に観た「仮面ライダービルド」「王様戦隊キングオージャー」は好きだったりします(笑)

しかし特撮界隈が好きならそっち方面の就職を見据えて専門学校探す?と高校時代に何度か確認したことも私と旦那はしっかりと覚えていた。
そのとき息子は「いや〜・・・そっち方面はあくまで趣味でやっていこうかな、と。医療系行けば基本的に食いっぱぐれることないでしょ。」と毎回返していたのでそれを信じて浪人までさせたのも事実である。
しかしそれすらも「今まで母さんの顔色を伺いながら、そう言った方が喜ぶだろうなー、と思って言っていただけ、俺の本当にやりたいことはやっぱり特撮・アニメの企画原案だ!!!」と言ってきたのである。

確かに夏、休学を決めたときの話し合いで、エンタメ系の魅力がやはり頭をよぎることもある、と言われたので「まぁいくつかOC(オープンキャンパス)行ってみたら?」と言ったのも事実だ。
しかし息子が行きたいと言い出したY専門学校は、よくよく調べてみると、過去に民事再生法を申請していて、正式には文部科学省から認められた専門学校ではなく専修学校であることがわかった。
それではそこをもし卒業しても履歴書上では高卒と同じである。
しかも息子が行きたいと言い出したコースは新設されてまだ3年程で、就職実績と謳われていても業界への定着率やどうやって今後の長い人生のキャリアプランを描いていけるのかなど先例と言うにも程遠いことがわかった。

これらを踏まえて、こちらでもいろいろ調べた結果、「たった1ヶ月前には『復学目指して頑張る』言うたのはどの口だ、そもそもお前はY専門学校についてどこまで知っているのか」と返したが、OCを通してすっかりY専門学校に行かせてくれるものと思い込んでいる息子の耳に届くことはなかった。
私たちは別ルートからテレAに就職ルートを持つというN専門学校もOCに行ってみろ、と言ってみたが、息子はやたらY専門学校に強い拘りを見せ、OCですっかり言いくるめられて虜になってしまっていた。

その理由はいわゆる「推し友」にあった。
この1ヶ月程前、私と息子の関係がまだ良好だった頃、息子は友達と一緒にスーパー戦隊50周年記念の展覧会に行ったと言って写真をLINEで送ってきたことがあった。
当然その頃はこちらもあくまで趣味の範囲内だと思っていたので、「あー、東京でも同じ趣味持つお友達出来て良かったねぇ」と微笑ましく見守っていたのだが、どうもその彼がY専門学校の声優コースに在籍しているらしく、彼からの勧めもあったのではないかと思われたのだ。

そこで息子から送られてきた写真を元にXを探してみると、あっさり息子のアカウントが見つかってしまった。
そしてそのアカウントを開設したのが一昨年の秋、つまり浪人時代の秋だということがわかった。
思い返せばその頃、息子から「音楽のサブスクに入っていいか」と言われたので、「お小遣いの中からコンビニで課金カード買う分には全然構わない、ただ課金忘れて念のために登録した父親名義のクレジットカードから引き落とされたらその分はちゃんと返せよ」と言っていた。
つまり息子の推し活は浪人させてもらっている身分でこっそり始まっていたのである。
そりゃそんなことに夢中になっていれば受験勉強の総仕上げに入る時期など関係なく、2年連続ほぼ全滅という結果になるわけだ。

それがこの仕方なく進学した短大取得単位たったの2単位、休学、進路変更に繫がるとわかって私と旦那は烈火のごとく怒り狂った。
お前、自分がどんなに恵まれた環境に置いてもらっとるかわかってから言いたいこと言えやー!!!
偶然ではあるが、約30年程前、私も旦那も、各家庭の経済事情から進学希望の幅を狭められた過去を持っている。
私は「自宅通学の国公立大のみ(前期は落ちたが後期で合格)」、旦那は「国公立なら好きなところ行ってもいいが私学なら自宅通学しかさせてやれない(その結果県内Fランク私大)」。
それに比べたら東京という大都会に、設備の整った私学グループ内短大に、1浪させてまで行かせてやっているのは誰だ、という話である。

そしたら返って来た言葉は、
「母さんや父さんがかつて苦労して大学に通った話を聞いてきて、凄いな、大変だったんだな、とは思います。でも俺には関係ないことです。」

この、この、馬鹿野郎ー!!!!!



つづく。

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