R8神戸大学工学部3年次編入合格体験記
こんにちは!四年制大学から令和8年度神戸大学工学部市民工学科の3年次編入に合格したぱむと申します。
編入試験は情報が少なく、特に理系で四大からの編入を目指す方は少数派だと思いますので、お力になれたら良いと思い、自分用の記録も兼ねて執筆しました。参考にならない部分も多々あると思いますが、編入受験生のリアルな体験記として最後まで読んでくださると幸いです。
ご質問等あれば私のTwitter(現X)に気軽にご連絡ください。
1. 自己紹介/編入受験の動機
受験校:神戸大学工学部のみ
所属校:関関同立 理系学部 2回
TOEIC:760 (L380/R380)
GPA:3.3/4.0 (1回終了時点)
バイト:個別指導塾 講師
予備校は通っていません
大学受験では他大学の土木系の学科を目指しており、神戸大学は後期で受験しましたが、共通テストが振るわず国公立全落ち、浪人をする気力もなく合格を頂いていた私大(他分野)に進学しました。
しかし、「あと1年浪人していれば」「やっぱり土木を勉強したかった」「別の大学に出願していたら国公立に通えていたかもしれない」と後悔することが多く、編入試験を受験することを決意しました。
神戸大学を選んだ理由は、①学費の安い国公立 ②土木系の学科がある ③実家から通える ④大学受験の際の志望校の1つだった の4点からです。
勉強以外の生活面ですが、サークルは入らずに個別指導塾で講師のバイトをしていました。私立理系でどうしても金銭面の負担が大きく、大学院などの学費のため、そして何より編入試験に落ちた時に何も残らないのが怖かったので、バイトと貯金は頑張っていました。あと音楽が好きなので息抜きにライブはよく行ってました。
2. 神戸大学工学部の受験科目
2日にかけて試験が行われ、数学(線形/微積)、物理(力学/電磁気)、TOEICスコア提出が全学科共通で、学科ごとに専門科目と口頭試問が課されます。1日目が筆記試験、2日目が口頭試問です。TOEICは出願時に提出するため、7月頭の出願までにスコアが間に合うように試験日を逆算して受験する必要があります。ちなみに市民工学科は筆記試験とTOEICの全科目が100点満点ですが、学科によって傾斜が異なるので注意です。
3. 受験勉強の流れ
1回生 8月 ~ 後期終了まで
編入を志したのは1回生の夏頃です。手始めに「編入数学徹底研究」を購入し、夏休みに既習範囲を1周しました。後期はバイトが忙しく、あまり勉強時間を確保できなかったですが、「大学生の初等力学」を購入し、7割ぐらい進めました。同時並行で徹底研究もテスト対策を兼ねて進めていました。期末試験もそれなりに対策してフル単・上の下くらいの成績を取りました。また、TOEIC対策のために通学時間で金のフレーズを暗記していました。
1回生 春休み ~ 2回生 4月まで
春休みに入ってすぐ、徹底研究の章末問題まで終えて、「編入数学過去問研究」の微積・線形のA問題に取り組みました。
物理は2月末に初等力学を終わらせ、「電磁気学演習」に取り組み始めましたが、元々電磁気学が苦手なのも相まって全く進まず、途中でやめてしまいました。
お気づきかもしれませんが、この時点でTOEICは未受験です。私は典型的なコミュニケーションが取れないのに受験英語が得意なタイプだったので、ReadingとListeningの配点が同じTOEICで良いスコアを取る自信がなく、受験を先延ばしにしていました。これから編入を受ける方は、必ずTOEICなどの英語外部試験対策・受験を先に行うことをおすすめします。
流石にまずいと思ってやっとのことで重い腰を上げて4月20日のTOEICを受験しましたが、Listeningが本当にできなかったため追加で6月8日のTOEICも申し込みました。結果的に付け焼き刃で受けたこの4月のTOEICは700ジャスト(L320/R380)でした。対策としては「TOEIC L&R 至高の模試600問」をメルカリで購入し、Part5の対策、Part3.4の演習、Part6.7のシャドーイングを行いましたが、圧倒的に専門科目の方が勉強していました。TOEICに関しては本当に情けないですが他の方を参考にしていただきたいです。
2回生 5月 ~ 前期終了まで
実験レポートに常に追われていたため、正直そこまで編入対策は行えず、数学は過去問特訓のA問題までを完璧にする、物理は電磁気学に少し取り組んだだけでした。
6月8日のTOEICを申し込んでいましたが、4月20日分で700は取れていたため、少しシャドーイングを行った程度でほとんど対策はしていません。この時のスコアは760 (L380/R380)と、理系編入では足を引っ張らない程度に取れたので、結果論としてはTOEICに時間を割かなかったのは賢明な判断だったのかもしれません。(TOEIC後回しにするのは絶対に真似しないで欲しいけど)
TOEICが終わった後はぼちぼち期末試験の勉強をしつつ、必修授業のレジュメを使って電磁気を勉強していました。この段階で編入の過去問はさらっと目を通した程度です。もう少し早く過去問に取り掛かるべきでした。過去問は、神大公式HPから解答無しのものを数学・物理・小論文で最新4年分ずつ(R4-R7)ダウンロードし、メルカリで6年分物理の問題・解答を購入しました。神大工学部は募集要項を出すタイミングで過去問を最新3年分に切り替えるので、募集要項が出る前に最も古い分(4年前に当たる)をダウンロードしておくのがおすすめです。
2回生 夏休み ~ 試験前日まで
過去問特訓をB問題までは完璧にした後、微積のみC問題に取り組みました。線形は正直運要素が強いので、時間が無い場合や数学が苦手な場合は微積を勉強した方が確実に点数が上がると思います。線形は、1次独立/固有ベクトル/部分空間/KerとImf の定義をしっかり確認しました。余裕がある方は特に差がつく分野の線形写像の勉強をした方が良いです。この後過去問に取り組み、そのやり直しとTwitterで拾った他大学の問題の解き方を確認しました。微積はR7の三重積分以外はほとんど解くことが出来たため、安心して試験に挑むことができました。
物理は、電磁気学演習を全て解くことを諦め先に過去問演習に取り掛かりました。数物ともに、分からないところは期間限定で大学生に無料で提供されていたGemini Pro2.5を使って解説を作成していました。
物理の過去問を分析していると、力学は割と出題範囲にばらつきがあったのですが、電磁気の方はコンデンサーとガウスの法則/アンペールの法則絡みのものばかりだったので(どこかの年でキルヒホッフの法則が出てたけど)、それらの分野に絞って勉強しました。結果的にこの判断が功を奏したと思います。傾向を知ることは大切ですが、勿論こんな博打みたいな勉強法はオススメしません。
試験2週間前になって、やっと小論文の対策を始めました。私は理系の一般受験しか受けたことがないので、本当に何をしたらいいのか分かりませんでしたが、とりあえず「落とされない小論文」という本を購入し、1周ざっと読みました。この本は入試対策だけでなく、教員採用試験や公務員試験、就活についても触れているので、理系の編入受験生には非常におすすめです。実際私は土木・インフラについてが題材だったので、公務員試験の添削例をかなり参考にしました。
その後、過去問を基に ①インフラの老朽化について ②国際化とインフラ ③交通インフラ ④災害対策とインフラ ⑤環境問題とインフラ の5点が特に出るのではないか?と予想し、それに関するネット記事を読んだり、GeminiやChatGPTにインフラが直面している問題をリストアップさせたりして、本番で使うことが出来る解答の叩き台を作成しました。小論文は抽象的になりがちなので、改善案の方に重きを置いて記述することと、具体例を盛り込むことを意識しました。
小論文を書いたことの無い私にとって、初めは90分1200字がかなりハードに感じられました。最初に過去問を解いた時は解き切れませんでしたが、対策を進めつつ更に2回過去問を解くと、十分見直しまで時間をとることができるようになりました。
大学受験の際に前泊して寝れなかったため、ホテルは取らずに前日は家で過ごしました。また、高校生の時に2回ほど行ったことがあるため、下見は行きませんでした。神戸大学はバスに乗る必要があるし、何より広いので基本は下見に行った方がいいと思います。過去問の見直し、小論文の叩き台の最終確認、過去問特訓で特に出そうな問題の解答を読むなどをしてから、試験に行く準備をして22時頃就寝しました。
4. 受験当日
1日目 筆記試験
電車でJR六甲道に向かい、バスに乗りました。私は神大工学部前で下車しましたが、神大国際文化学研究科前で下車する方が道が分かりやすいです。
8:30頃に到着しましたが、既に他の受験生達がほとんど着席していました。身内で喋っている高専生達に囲まれて非常にアウェイ感がありましたが、イヤホンをしてやり過ごしました。座席表によると、出願人数は建築11/市民工7/電電46/機械19/応化7/情知24でした。昨年よりは減っていると思います。
ちなみに数学と物理は工学部受験生が同じ教室で一斉に入試を行いましたが、昼休み前に志望学科ごとに別の部屋に移動させられて、専門科目は少人数で受験しました。
数学 (9:00~10:30)
大問1:行列式
→ フィボナッチ数列と漸化式を絡めた問題でした。完答できたと思います。
大問2:固有ベクトル
→ これが1番難しかったかな。直交行列の定義をド忘れして適当に書きました。固有ベクトルの定義を理解していれば良いところまで戦えると思います。(1)の直交行列の証明が間違ってそうなのと(4)を答えだけ書き間違えた気がするので7.8割くらいと予想しています。
大問3:陰関数の極大極小
→ 2階微分を使えば解ける問題だったので、完答できたはず。
大問4:重積分
→ 個人的には1番取りやすかったです。最初に解きました。見直したら計算ミスしてたので気づけて良かったです。完答。
時間も余って見直しまでできたし、私は数学が1番手応えがありましたが、線形が少々取っ付きにくくなっていたと思います。大学受験ぽさがあるな~とか感じました。
物理 (11:00~12:00)
大問1. 球体の衝突
→ よくある反発係数eが設定されてるあの問題ですが、例年と異なり導出過程を記述させられました。また、文字で置くのではなくて実際の速度を計算する必要があったため、計算ミスしている可能性があってかなり怖かったです。エネルギーの式と運動量保存を上手く使えるかが問われていました。解き方は合ってると思うけど数値は怪しいです。
大問2. コンデンサー
→ 大きく2つに分かれており、前半はよくある平行板コンデンサーの問題でしたが、後半がコンデンサーが振り子みたいな感じで運動している問題で、初見だったため全く自信が無いです。図が高校物理の光の屈折みたいな感じだったので同じように解きました。受かってたから合ってたのかも。全部埋めたけど7割とかは合わせられていない気がします。
時間が10分弱余ったので、力学と電磁気の前半を見直しました。
昼休み (12:00~13:00)
受験会場を移動した後、おにぎりを食べながら小論文の叩き台やメモを振り返りました。市民工は私以外高専生だったみたいで、私以外の受験生は和気あいあいと併願校の話などをしていました。
小論文 (13:00~14:30)
インフラの老朽化に対する解決策の話でした。数年前にほぼ同じ題材が出ていたので、準備していた通りに書きました。試験時間は90分でしたが、60分程度で書き終わってしっかり見直しまで行えました。
帰宅後
帰宅後は次の日の口頭試問に向けて、他の方のnoteを参考にしながら話すことを作成していました。志望理由など聞かれがちなものをブツブツ喋りながら1日過ごしていました。
2日目 口頭試問
この日は同じ学科の受験生全員がスーツでした。クールビズが推奨されてるのでジャケットは着ずにワイシャツにパンツかスカートで大丈夫です。集合時間になると、試験場所と試験時間が書かれた紙が配られました。13時から1人5分で受験番号順に試問が行われるスケジュールになっていました。
待機時間は通信機器を触れないので、頭の中で前日に組んだ内容を繰り返し思い出していました。
自分の順番になり、試験場所へ向かうと、私1人に対して8人程度の先生方が座られていました。聞かれた内容は以下の通りです。
1. 名前と受験番号、所属校
2. 併願校の有無
→ 合否には関係ないとの前置きがありました。
3. トラス構造とは?
4. 水害に関して
5. 水理学の問題
→ 他分野からの編入なので、3.5は全く答えられませんでした。4は所属している学科でも近い授業があったため何とか答えた感じです。他の受験生も同じ質問だったそうです。
6. (試問がボロボロだったため) 土木分野の学習で遅れがある自覚はあると思うが、頑張る気はあるか?
→ 試問がボロボロすぎて心が折れかけていましたが、やる気だけでも示しておこうと思って入学できたら頑張りますと答えました。受かったから先生方に響いてたのかな。
折角数学できたのに落ちたかもなー、とか思いながら帰っていると同学科の受験生の方にバス停で会ったため、試験内容について話しながら帰宅しました。駅で別れた後は梅田で寄り道してラーメンを食べました。美味しかった🍥🍜
5. 最後に
大学編入は何よりも戦略とメンタルが大切だと思います。①とにかく英語の外部資格は早く受けること ②過去問を手に入れること ③自分に合った勉強量と勉強法を見つけること の3点が特に私が伝えたいことです。
受験生なんだから勉強以外何もするな!とは言わないけど、時間的にも体力的にもサークル・バイト・友人関係・遊び全てを楽しみながら編入勉強をするのは非常にしんどいです。中途半端だと後ろめたい気持ちも抱えると思います。自分にとって本当に大事なことを上手く選択しながら受験勉強するのが大切です。
また、脅す訳ではないけれど、編入はブラックボックス的な要素が強いことも念頭に置くべきだと考えています。というのも、例えばR9以降の神大工学部(電電を除く)やR8以降の北大理学部の高専生以外の募集停止や、倍率の変動、点数開示がなされていないなどとにかく不安定な面が多いからです。法政大学みたいに編入の受け入れに積極的な大学もあるにはあるけど、恐らく少数です。
何かとハイリスクハイリターンな編入試験ですが、受かってしまえばこっちのものです。情報収集もそれなりにしつつ、モチベーションを維持しながら自分の使える時間を目一杯割いて効率良く勉強すれば合格に近づくと思います。合格してから言うのは後出しジャンケンみたいで少し嫌ですが、挑戦する価値は間違いなくあります。編入を志す方には是非頑張っていただきたいです(^^)/
