古池に響く、静寂という名の音
音声アプリclubhouseの名番組「耳ビジ★耳で読むビジネス書」
2025年11月5日の放送で、主催の下間都代子さんからのお題をもらいました。
それは、松尾芭蕉の俳句「古池や蛙飛び込む水の音」を鑑賞して
アウトプットしてみよう!というもの。
この週のゲストである、コピーライター さわらぎ寛子さんからの
「作者の気持ちを想像しながら自分の言葉で書く」というお話をもとにした、楽しい”リスナー参加企画”です。
早速書いてみます。
松尾芭蕉のこの一句を初めて知ったのは、確か小学生の頃だったでしょうか。当時は「ああ、蛙が飛び込んだんだな」くらいにしか思っていませんでした。
でも、今この句を味わうと、まったく違う景色が心に広がってきます。
この句の本質は、実は「音」そのものではなく、その前後に横たわる「静寂」にあるのではないかしら?
古池の辺りには、深い静けさが満ちていて、誰も何も語らない、風さえも息をひそめているような時間。
その静寂の中に、ぽちゃん、と一つの小さな音が響いてきて、
蛙が飛び込んだだけの、ささやかな出来事。
でも、その音があるからこそ、それまで気づかなかった静けさの深さに、はっと気づかされるんですよね。
現代を生きる私たちは、常に音に囲まれています。
スマートフォンの通知音、テレビやSNSから流れてくる情報の洪水、街の喧騒。
だからこそ、時には芭蕉が座ったような古池の辺りに立つような時間が必要なのかもしれません。
すべての雑音から離れて、ただ静かに自分の内側に耳を澄ます時間。
そうすると、普段は聞こえなかった自分の心の声が、蛙の飛び込む音のように、ぽちゃんと小さく響いてくる。
それは「本当はこうしたかった」という想いかもしれないし、「疲れているな」という身体の声かもしれない。あるいは「今、幸せだな」という静かな喜びかもしれません。
芭蕉が教えてくれたのは、きっと
大切なものは静寂の中にこそ聴こえてくるということ
”ぽちゃん”
たまには、自分だけの「古池」を見つけて、
その一音をぜひ楽しんでみましょ。
