楽な育児(5) 競争させる
はじめに
親が楽なやり方といえば、これです。
多くの人が実践しているのではないでしょうか。
何年か前に、ある工作教室に行ったときのことです。場所は体育館で、開始時間になるまで子供たちはたくさんのボールで遊んでいました。さて時間になって、先生が「ボール片づけて!」と叫びます。が、なかなか子供たちは片づけません。
そこで、私は普段から息子にやっている方法を試してみることにしました。まだ遊んでいる二人組の子供のところに行って、ぼそっと言いました。
「どっちがたくさん片づけられるかな?」
あっという間に全速力で駆け出して、片づけたのは言うまでもありません。
この方法の効果は、まさに魔法のようでした。親が怒ったり、命令したりする必要もなく、子供たちは自発的に行動を起こしたのです。
一人っ子家庭での実践
兄弟がいれば自然に楽にできるかもしれません。うちは一人っ子なので、競う相手はもっぱら父親、つまり私です。
「じゃあ、パパが先にやっちゃおう。」
「よし、パパが先に歯を磨くぞ。」
「パパ、もう準備終わりそうだよ。」
このような声かけで、子供の競争心を刺激します。自分が負けまいとして、必死に行動するようになるのです。
この方法の良いところは、親が怒る必要がないことです。子供自身が「負けたくない」という気持ちで行動するため、親のストレスも大幅に軽減されます。また、子供にとっても、命令されるのではなく、自分から進んで行動するという体験ができるのです。
心理学の研究では、適切な競争心の活用は、子供の内発的動機を向上させ、自己効力感を高めることが示されています。競争を通じて「自分ならできる」という自信が育まれ、集中力も向上するのです。
おもちゃ片づけでの応用
おもちゃを片づけるときには「イチ、ニ、サン、…」とおもちゃを数えながらやると、子供も必死に片づけます。数を数えることで、どちらが多く片づけられるかが明確になり、競争心がより強く刺激されるのです。
この方法は、単純な片づけ作業を楽しいゲームに変える効果があります。子供にとっては遊びの延長のような感覚で取り組めるため、抵抗感なく行動できるのです。
注意点と限界
子供が勝負「だけ」にこだわらないように注意する必要があります。たぶん、やりすぎてはいけないのでしょうけど、とっても楽です。
そういえば幼稚園のときの先生もそんなことを言っていました。本当は他人との競争ではなく、自発的にやれるのが理想なんですけどね。
この方法は、あくまでも手段の一つです。最終的には、子供が自分から進んで行動できるようになることが目標です。競争を活用しながらも、子供の自主性を育むことを忘れてはいけません。
また、この方法が効果的なのは、主に小学生低学年までです。子供が成長するにつれて、より高度な動機づけが必要になる場合もあります。そのときは、他の楽な育児法と組み合わせて使うことが大切です。
例えば、楽な育児(2)の「何か忘れてることない?」という声かけと組み合わせることで、時間管理と忘れ物チェックの両方に効果を発揮できます。また、楽な育児(3)の目標設定と進捗管理と組み合わせることで、より体系的な育児法として活用できるのです。
ただし、過度な競争は子供のストレスを増大させる可能性があるため、適切なバランスを保つことが重要です。競争と協力のバランスを意識しながら、子供の成長段階に応じた対応を心がけましょう。
おわりに
競争を活用した育児法は、親にとって楽な方法の一つです。ただし、適切なバランスを保ちながら、子供の成長を促すことが大切です。
完璧な育児を目指すのではなく、親も子供も楽になる方法を探すことが重要です。この方法を試してみて、あなたの育児が少しでも楽になることを願っています。
(つづく)

