休職111日目・(前編)駒として使い捨てられる前に。〜 偽装派遣の現場と、「外の世界」を求めた私 〜
「偽装派遣の事実を、これまで誰も告発しなかったのが疑問。」
工場派遣の現場で働きながら、何度もそう思ってきました。
全員が胸の内では「おかしい」と分かっているのに、
誰も声を上げないまま、今日もラインは回り続ける。
ぶちキモい!もはや人間じゃない。
そう感じるほどの違和感を抱えながらも、
多くの派遣社員は、
何も言えずに“駒”として働き続けています。
なぜか。
これは、その構造と、
そこからにじり出ようとしてきた
一人の派遣社員の記録と告白です。
〜偽装派遣の現場で感じた、「人間じゃなさ」〜
偽装派遣まがいの現場にいると、
自分が「人」ではなく、
部品か駒のように扱われている感覚になります。
・誰が指示を出しているのか分からない、
二重・三重の指示系統
・派遣先と派遣元の間で、責任だけが行ったり来たりする構造
・現場リーダーの機嫌ひとつで、評価や配置が揺れる不安定さ
そして一番しんどいのは、
> 「おかしい」と感じているのに、
それを口にした瞬間に、
自分の生活が危うくなる恐怖。
が、常に背後に張り付いていることです。
・寮を出なきゃいけなくなるかもしれない
・次の現場をあてがわれないかもしれない
・「扱いにくい人」認定されるかもしれない
そう思うと、人は口を閉ざします。
『黙ることが、
生き延びるための“標準装備”になっている。』
この状態そのものが、既に人間性をすり減らしています。
〜なぜ誰も「おかしい」と叫ばないのか〜
「勇気がないから」でも
「我慢強いから」でもありません。
沈黙の背景には、冷酷なくらいシンプルな構造があります。
1. 仕事と住まいを同時に握られている
寮付き・送迎付きの(工場)派遣では、
仕事
住まい
人間関係
この3つが、
ほぼ一つの会社・一つの契約に束ねられています。
だから、
> 仕事を失う=住む場所を失う=明日の生活が詰むかもしれない
という恐怖に、すぐ直結する。
「告発したら? その後どこで暮らすの?」
という現実的な不安が、
声を上げる力を根こそぎ奪っていくのです。
2. 「文句あるならやめれば?」という呪い
偽装派遣まがいの現場には、
決まってこういう言葉が飛び交います。
「どこ行っても同じだよ」
「嫌ならやめれば?」
「みんな我慢してるんだから」
一見ただの“雑な励まし”ですが、
この言葉が繰り返されることで、
次のような洗脳が進みます。
・問題は“構造”ではなく、自分の“忍耐力不足”
・「弱い自分が悪い」「メンタルが豆腐だからだ」
・会社に相談した自分が、面倒くさい人間に見えてくる
その結果、
> 一人ひとりが、自分の中に
「自分を責めるための牢屋」を作らされていく
そして、その牢屋の中からは、
構造の異常さが、だんだん見えなくなっていきます。
3. 相談した瞬間、“面倒なやつ”になる恐怖
・派遣元に苦情を入れても
→ 「じゃあ別の現場探します?」で処理される
・派遣先の現場で声を上げれば
→ 「扱いづらい人材」としてマークされる不安
「相談した瞬間、自分の未来が狭まるかもしれない」と思えば、
誰だって口を閉ざします。
沈黙は、**性格の問題ではなく、
構造に組み込まれた“生存戦略”**なのです。
中・後編では、「外の世界」を求めて動き出した
私自身の話を書こうと思う。
そこでようやく、私は“自分を責める物語”を終わらせ始めることになる。
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