【売れるマーケ】「ボジョレー・ヌーヴォー」が廃れたのは、嘘臭いキャッチコピーが原因!?
今年の「ボジョレー・ヌーヴォー」の解禁は…
と言ったところで、すでにブームは過ぎ去り、
まったくもって盛り上がりに欠けます。
今年も百貨店やワインショップに、
少人数のワイン愛好家が集まり、
淋しいまでの静けさの中で、
新酒の誕生を祝うのでしょう。
あれほど騒がれたブームが、
なぜここまで廃れてしまったのでしょうか。
ワインの魅力がなくなったのでしょうか。
ワインの世界は奥深く、
その味わいに魅了された人間は、
生涯ワインを愛し続けるものだと思います。
ならば、「ボジョレー・ヌーヴォー」が
騒がれなくなったのはなぜでしょうか。
理由のひとつは、「ボジョレー・ヌーヴォー」が
ワイン本来の味ではないからです。
その年できた新酒の“出来”を
テイスティングするとともに、
“蔵出し”のお祝いをすることが目的です。
本物のワインは、
ここから熟成させることで完成するので、
まだ未熟な味だと言えます。
私も何度か飲んでいますが、
飲みやすいだけで、美味しいとは言えません。
本来なら、
ワイナリーで静かに祝っていたものなのです。
冷蔵設備のない時代、人びとは近くの醸造所へ行き、
ワインを量り売りで買っていました。
そして、新酒の頃になると、
周辺の限られた地域の人たちだけが、
その味を楽しんでいたのです。
美味しさを味わうというより、
新酒を静かに祝う意味合いが強かったのです。
しかし、冷蔵や輸送技術の発達により、
もっと広めようという動きが
醸造家によって始まったのです。
そこから世界へ。
そして、日本に。
世界にも“ヌーボー“の愛好家はいますが、
ワインの世界にどっぷりと浸かった人たちが、
あくまで新酒を祝うために飲んでいるだけです。
日本のように、
“ヌーボー”だけで盛り上がることはありません。
日本では異常なまでに盛り上がってしまったのです。
「ワイン=お洒落」にかぶれた人たちが、
味など関係なく群がった結果、
「ボジョレー・ヌーヴォー」が
“有り難い存在”と化したのです。
しかし、やがて人びとは気づきます。
「それほどでもないのかも……」と。
結局は、商社や百貨店が仕掛けた
ブームに過ぎなかったのです。
また、ブームを作り出すために、
人びとが熱くなるようなアピールもしています。
解禁前に、その年の「ボジョレー・ヌーヴォー」の
評価をキャッチコピーとして発表するのです。
「10年に1度の出来で、芳醇な味わい」など。
これを聞いて、人びとの期待はますます高まり、
解禁日に向けてそわそわし始めるのです。
実に上手い演出です。
ところが、毎年発表されるキャッチコピーに、
疑問を感じる人が出てきました。
毎年代わり映えせず、似たような言葉が
度々登場したりしているのです。
これでは、嘘臭いと感じても仕方がありません。
信頼できる評価だとは思えないのです。
これまでのキャッチコピーを見てください。
2000年
出来は上々で申し分の無い仕上がり。
2001年
ここ10年で最高。
2002年
色付きが良く、しっかりとしたボディ。
2003年
並外れて素晴らしい年。
2004年
生産者の実力が表れる年。
2005年
59年や64年、76年のように偉大な年の一つ。
2006年
とてもうまくいった年。
2007年
果実味が豊かでエレガント。
2008年
フルーツ、フルーツ、フルーツ。
2009年
数量は少なく、完璧な品質。桁外れに素晴らしい年。
2010年
果実味豊かで、滑らかでバランスの取れた。
2011年
3年連続で、偉大な品質となった。
2012年
心地よく、
偉大な繊細さと複雑味のある香りを持ち合わせた。
2013年
繊細でしっかりとした骨格。美しく複雑なアロマ。
2014年
エレガントで味わい深く、とてもバランスがよい。
2015年
記憶に残る素晴らしい出来栄え。
2016年
エレガントで、魅惑的なワイン。
2017年
豊満で朗らか、絹のようにしなやか。
しかもフレッシュで輝かしい。
2018年
2017年、2015年、2009年と並び、
珠玉のヴィンテージとして歴史に刻まれるでしょう。
2019年
有望だが、生産者のテクニックが重要な年。
2020年
非常にバランスが取れた爽やかさのある仕上がり。
2021年
挑戦の末たどり着いた、納得のヌーヴォー。
2022年
太陽に恵まれたヴィンテージ。
果実味とストラクチュアの完璧なバランス。
2024年
努力と多様性のヴィンテージ!
これだけ似たような言葉が並ぶと、
誰も信用しなくなるのではないでしょうか。
あまりにも“下手”なキャッチコピーです。
「化けの皮がはがれた」「ボロが出た」
と言ったところでしょうか。
ブームの終焉は、
こんなところにも原因があるのではないかと思います。
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