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【第五話】ゆとり世代の1987生まれが青春時代を過ごした平成についての思い出を語る【White Love / SPEED(1997年)】


1997年、小学4年生の冬。
SPEEDの「White Love」を聞くと、当時の“果てしない”記憶が蘇ってくる。

「青春」とはなにか。
辞書を引くと「若さゆえの輝き、未熟さ、情熱」なんて書かれているけれど、実際僕にとってはシンプルで、音楽と共に過ごした時間こそが青春だ。



そう、僕は懐古厨だ。
でも、この懐古があるからこそ、今の僕があるのだと思う。

懐古厨のゆとり世代と、この気持ちを分かち合うために、このnoteを書き上げる。


果てしない道のり


当時、僕は同じ県内に住んでいた従兄弟の家によく遊びに行っていた。

片道1時間ほどの道のりだけれど、小学生にとっては永遠に続く旅路に思えた。
確か、僕の自宅から従兄弟宅へ向かう道のりは、いつも渋滞が発生していた。
そのため、事前に用を足しておかないと、酷い目にあうこともある。

その日も結構な渋滞が発生し、ノロノロ運転だったと記憶している。
車内ではカセットテープで流れる「White Love」。そんな日に限って、僕は途中で腹痛に襲われていた。
「果てしないー」と聞こえるたびに、押し寄せる波。
親に「もう限界だ。急げ!」と、とにかく急かしまくった。
臨界点に達する直前、ギリギリのタイミングで従兄弟宅へ到着。
社宅の最上階にある従兄弟宅へ駆け上り、ベルも鳴らさずにドアを開け、トイレに駆け込んだ。
そう、果てしない道のりを乗り越え、なんとか間に合ったのだ。
「ふぅ…」とトイレから出ると、叔母と従兄弟と目があった。一瞬何があったのかわからない不思議な顔で「え…誰?」とトイレを覗いていた。

あまりにも慌てていたため、叔母たちには挨拶なんてしていない。もしかしたら、僕のことを泥棒だと思っていたのかもしれない。
30年近く経過したが、僕はいまだにあの顔を覚えている。

永遠に続く戦い

当時の流行といえば、ポケモンだ。
平成で過ごした青春を語るのに、ポケモンは避けては通れない。
友人たちと遊んだ通信対戦や交換。
また、風のうわさできいたバグ技によるミュウ(けつばん)は思い出深い。
特に、印象深い記憶は、一瞬でレベル100にする裏技だ。
確かその技でレベルが上がるとHPのバーが見切れ、個体によってはレベル100にはならないものもいた。
※いまネットで調べると、無限のバグ技があったようだ。

ポケモン初代全盛期は、まだネットが家庭に普及する前。そのため、ソフトと攻略本をセットで買うのが当たり前の時代だった。
ポケモンの攻略本の中で、印象に残っているものがある。

それが、「ポケットモンスターを遊び尽くす本」というものだ。
※公式でもないのに、やたらとみんな持っていた。


確か、パッケージをそのまま表紙に使っていて、中は白黒。僕は、近所にある書店でそのパッケージに惹かれ、コロコロとともに購入した記憶がある。
攻略情報はそこそこで、特に中のコラムが印象的だ。
おそらく記事の編集者が、初めて四天王を倒したパーティーや、大爆発が使えるネタパーティーなどを個性的に紹介していた。
このコラムを見るたびに、ポケモンが無性にやりたくなる→セーブを消す→最初から、ということを繰り返していた。

また、当時、弟、従兄弟、僕の3人でよくやっていた遊びが、「シナリオを最初から初めて、四天王+ライバルをいち早く倒す」競争だ。
まず御三家を誰が連れていくかの駆け引き。
※ヒトカゲを選択すると最初で躓くので、僕はいつもフシギダネを選んでいた。
それから、途中でスターミーとサンダースを使い無双。
マスターボールはフリーザーに使っていた記憶がある。
最後は、誰が早起きするか?という時間との勝負になり、誰よりも年下の弟が負けていた記憶しかない。

ポケモン1つとっても、“永遠に続く戦い”が感じられる。
詳細は今後語ることになるだろうが、ポケモンは終わりがない、1度エンディングを迎えてからが本当のスタートになるゲームだと、当時の僕はまだ知らない。

今で言うSNSの始まり


冬のもう一つの定番といえば、年賀状。
キラキラしたスタンプを押したり、カラーペンで派手に装飾したり。
僕のクラスでは、担任の先生が丁寧にクラスメイト全員分に年賀状を送っていた。
そのため、みんなも年賀状を送り合っていた、ということだ。
3学期がはじまると、誰からともなく「年賀状は何枚もらったか」という競争がはじまる。
僕は、そんなにもらっていた記憶はないが、これは今でいう「イイね」の始まりだったのかもしれない。
60円のハガキひとつで、承認欲求の戦場となる世界だったのだ。
これもまた、あの時代ならではの“果てしない競争”だった。

あの冬の記憶


SPEEDの歌声は、大人びているようで、どこか幼さも残っていた。
それは僕たち自身と同じだったのかもしれない。
背伸びをしながら、でもまだ子どもで、ただただ遊びと競争に夢中になっていた。

「White Love」を聴くと、澄んだ冬の空気とともに、あの“果てしない記憶”が蘇る。
トイレを我慢したことや、ポケモンというゲーム1つで色んな遊びを開発した思い出。
また、年賀状の競争など、くだらないエピソード一つひとつが僕の青春なのだ。
あの冬はもう二度と戻らない。けれど、胸の中でいつまでも続いている。

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