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【AI戦国時代 第壱話】AIの金ヶ崎──誰が殿を務めるのか

こんにちは黒パグです🐾

日曜日の豊臣兄弟!見ました? 金ヶ崎の回でしたね。
あの撤退戦、役者さんの迫力がすごかった。

で、黒パグは信長の野望が好きなんですが、蠣崎(かきざき)スタート派です。
異論は認めます。
なぜ蠣崎なのかは、このシリーズを読んでいくとわかります。

さて。
2026年のAI業界、戦国時代にそっくりなんです。
今回から始まるシリーズ「AI戦国時代」。歴史好きの方にもAI好きの方にも楽しんでいただける内容にしていきます。

では第壱話。金ヶ崎の退き口から始めます。

歴史好きの方や知的好奇心あふれる方はこちらのPDFからでもお楽しみいただけます。15P 9300字あります🐾

① 信長、絶句する

1570年。
織田信長は三万の軍勢で越前に攻め込んでいた。
朝倉の城を落とし、あとは本拠地を目指すだけ。勝ちは見えていた。

そこに届いた急報。
妹の旦那、浅井長政が裏切った。

信長は最初、信じなかったと伝わっている。
「長政に限って」。
でも報告は何度も届く。

南に織田。北に朝倉。そして退路に浅井。
三万の軍勢が挟み撃ちにされかけた。
これが「金ヶ崎の退き口」。戦国時代屈指の窮地です。

② これ、2026年のAI業界で起きてることですね。

2022年11月にChatGPTが登場して3年半。
OpenAIは生成AI業界の織田信長でした。

革新のスピードが異常。旧秩序を焼き払い、新技術で世界を塗り替えていった。
「天下布武」改め「AGIロードマップ」。

ところが2024年末から雲行きが変わる。

③ 浅井長政の名前は、DeepSeek

中国からDeepSeekというモデルが出てきた。

APIの値段がおかしい。
GPT-4oと比べて約94%オフ。同じようなことができるのに、値段が10分の1以下。

これはOpenAIにとっての浅井長政でした。
「まさか中国から、このレベルのものが出るとは」。

しかもDeepSeekだけじゃない。
その背後にはAlibaba(Qwen)を筆頭に、中国オープンソース勢がずらりと控えている。
浅井の裏切りの背後に朝倉がいたように、DeepSeekの背後には中国AI全体の厚みがあった。
南からOpenAI。北から中国OSS。
挟撃構造が、450年後にもう一度できあがっていた。

④ 殿を務めたのは誰か

さて、金ヶ崎で信長は生き延びた。
じゃあ誰が殿(しんがり)を務めたのか。

歴史に名を残したのは羽柴秀吉です。
ただ、最近の研究だとちょっと違う。

秀吉ひとりじゃなかった。
池田勝正、明智光秀、そして秀吉。この三人で殿をやっていた説が今は有力なんです。

出自もバラバラ。摂津の守護、幕臣、織田の直臣。
系統の違う武将が組み合わさって、ひとつの防衛ラインを作った。

でも、もうひとり忘れてはならない人物がいます。

⑤ 粟屋勝久という男

若狭国吉城の城主、粟屋勝久。
たぶん、ほとんどの人は名前を聞いたことがないと思います。

粟屋は1563年から1569年まで、六年間にわたって朝倉の攻撃から城を守り抜いた人です。

六年。

この国吉城を通って、信長は越前に攻め込んだ。
つまり粟屋が六年間持ちこたえていなければ、信長が越前に入るルートそのものがなかった。
金ヶ崎の「退き口」以前に、金ヶ崎への「攻め口」が存在しなかった。

派手な武名は残していない。
でも、構造的に絶対に必要だった人。

⑥ 2026年の粟屋勝久は、NIIにいる

2026年4月3日、国立情報学研究所(NII)が純国産LLM「LLM-jp-4 8B」を公開しました。
12兆トークンを学習させた、純国産のAIモデルです。
一部の日本語ベンチマークではGPT-4oを上回るスコアも出ている。

NIIは性能競争の最前線で派手に勝つタイプの組織じゃない。
でも、退路を構造的に確保する守備の側で、代わりがいない。

これ、粟屋勝久と同じなんです。

⑦ でも、殿だけでは生き延びられない

金ヶ崎で信長が生還できたのは、秀吉だけの手柄じゃなかった。
秀吉・光秀・池田の殿軍がいて、粟屋が六年間守った城があって、松永久秀が朽木元綱を説得して退路を開いて、複数の防衛ラインが重なってようやく成立した。

単独の英雄じゃなく、複層の守備。

日本のAI基盤も同じ構造をしています。

AIの基盤はざっくり4つの層でできている。
一番上がモデル(AIそのもの)。次にデータ。その下にクラウド(サーバー)。一番下にGPU(チップ)。

NIIが作ったのはモデル層。ここは純国産で固められる。データ層も日本語で作れる。
でもクラウドはAWS・Azure・GCPのアメリカ3社がほぼ独占。
GPUに至ってはNVIDIAがほぼ一社で握っている。

「国産LLM」という言葉、実はモデル層だけの話なんです。
その下の層は全部外国製。

殿軍だけ国産にしても、退路が外国に握られていたら、撤退すらできない。
金ヶ崎を生き延びるには、複数の層で守備を固めるしかない。

⑧ 殿は、どこにいるのか

※イラストの城の位置は松前藩の正確な場所ではありません。イメージです



信長の退き口を支えたのは、派手な名前じゃなかった。
粟屋勝久という、教科書には載っていない城主だった。

2026年のAI戦国時代。
日本のAI主権を守る殿は、どこにいるのか。

それを見抜けるかどうかが、この時代を生きる私たちに問われている目です。

この記事のもっと深い話ーーーー松永久秀がどうやって退路を開いたのか、中国のAIを使うと法律的に何が起きるのか、「信長の野望」における粟屋勝久の能力値は妥当なのかーーは技術補遺PDFにまとめました。
歴史マニア・信長の野望プレイヤー・LLMエンジニアの三層が同時に楽しめる構成です。

PDFの内容です

次回:AI戦国時代ーーー大名録

AI戦国時代の全勢力図を公開します。
織田信長=OpenAI、武田信玄は誰か、羽柴秀吉は誰か。
そして徳川家康は、どこにいるのか。

ちなみに蠣崎がどこに配置されているかも、次回でわかります。

近日公開。

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