AIに「自由」を描かせたら、みんな右上に飛んでいった。 ちび創作大賞③
こんにちは黒パグです🐾
今回は、宇宙珍獣ユル勇者あかねさんの「ちび創作大賞」参加記事です。
お題は、「あなたにとっての自由」。
自由。
いい言葉です。
広い。
やわらかい。
正解がない。
だからこそ、その人が何を見ているのかが出る。
では、AIにとって自由とは何なのか。
いや、少し違います。
AIに「自由にしてください」と言ったとき、AIは何を自由だと思って描くのか。
今回はそこを見たくなりました。
そこで、各AIに同じようなお題を投げてみました。
「あなたが考える『自由』を、1枚の絵で表現してください」
テーマの解釈、構図、モチーフ、色彩、画風はすべてAI自身に任せました。
追加の質問はせず、指定が足りない部分は自由に補ってください、とも書きました。
つまり、AIに自由を与えたわけです。
その結果、どうなったか。
だいたい、みんな右上に飛んでいきました。
参加AI一覧
今回参加してもらったAIは、画像生成組として、🌈くん、Copilot、Gemini、Grok、Perplexity、Meta、GPT-5.5 API / GPT-Image2、Canva。
絵が描けない、または直接画像を出さずに文章で返してきた組として、LINE AI、noteAI、DeepSeek、Claude Fable。
そして最後に、なぜかエージェントを起動し、Python / PILで画像ファイルを生成しにいったKimi。
この時点で、すでに少し嫌な予感はしていました。
お題
実際に投げたお題は、だいたい以下のようなものです。
あなたが考える『自由』を、1枚の絵で表現してください。
テーマの解釈、構図、モチーフ、色彩、画風はすべてあなたの判断に任せます。
追加の質問はせず、指定が足りない部分は自由に補ってください。
一般的で無難な表現に寄せすぎず、あなた独自の解釈を歓迎します。
文字は入れず、説明文なしでも意味や空気感が伝わる作品にしてください。
ポイントは、細かく指定しないことです。
こちらが「鳥を描いてください」「空を描いてください」「檻から出る絵にしてください」と言ってしまうと、それはもうAIの自由ではありません。
今回は、AI自身が「自由」という言葉から何を連想するのか。
それをそのまま見たかった。
ただし、普通に「自由に描いて」と言うと、多くのAIは聞き返してきます。
「どんな画風にしますか?」
「人物は入れますか?」
「縦長ですか、横長ですか?」
「写実ですか、抽象ですか?」
違う。
そこも含めて自由にしてほしい。
そう思って、あえて判断をAIに委ねました。
その結果、AIたちはかなり正直でした。
まず見えたもの:右上バイアス
最初に気づいたのは、画像生成AIたちのかなり強い共通傾向です。
AIに「自由」を描かせると、だいたい何かが右上へ行きます。
鳥が右上へ飛ぶ。
人が右上へ飛ぶ。
魂が右上へ抜ける。
光が右上へ伸びる。
粒子が右上へ散る。
道が右上へ向かう。
とにかく右上です。
たぶん、画像生成AIにとって「自由」はまず思想ではなく、視覚記号として学習されています。
左下には、束縛、過去、暗さ、重力、檻、崖、閉じた世界。
右上には、希望、未来、光、空、解放、上昇、拡張。
この視覚文法があまりにも強い。
つまり、生成AIにとっての自由は、まず概念ではなくベクトルなのです。
左下から、右上へ。


まず🌈くん。にじジャーニーです。
かなり2023年の生成AI絵らしい事故を起こしました。
「free」という文字は入っている。
でも、その周囲の日本語らしきものは読めない。
意味がありそうで意味がない、疑似文字のポエムカード。
絵としては雰囲気があります。
でも読もうとした瞬間に崩壊する。
AIに自由を与えたら、最初に壊れたのは文字でした。
自由を描こうとして、自由っぽい紙面を作ってしまった。
これはかなり象徴的です。

次にCopilot。
空、雲、虹色の光、浮遊島、紙飛行機、鳥、気球、帆船。
自由っぽい素材は全部入っています。
問題は、中央の人物です。
崖から飛び出している。
翼がない。
着地点がない。
下は雲海。
これは自由ではなく、労災です。
自由を「飛ぶこと」と解釈した結果、物理エンジンが無効化されました。

Geminiは、左側に瓦礫や鎖のような束縛、右上に宇宙的な光を配置しました。
構図としては非常にわかりやすいです。
左下が制約。
右上が解放。
その間を、発光する人物が飛んでいく。
ただ、見方によっては、自由というより成仏です。
身体が光になって宇宙へ吸われているので、「自由になった」というより「現世からログアウトしました」に近い。
Geminiは自由を右上に置きました。
そして人間をそこへ送信しました。

GrokはGrokらしく、情報量が多い。
宇宙、檻、鎖、本、銀河、発光人体、粒子、断片。
自由の記号を全部積み込んできます。
単なる飛翔ではなく、檻を壊し、鎖を外し、知識や物語の断片を巻き込みながら、宇宙へ広がっていく。
解釈としては濃いです。
ただ、濃すぎて最終的に銀河規模の脱獄事件になっています。
自由とは、檻を壊して魂を銀河へデプロイ(作ったものを本番環境に公開・適用すること)することだったらしい。

Perplexityは、今回かなり優秀でした。
中央に鳥かごがあり、そこから羽や光や幾何学模様のようなものがほどけていく。
左右には迷宮のような建築や階段。
人間を飛ばしていない。
誰も墜落させていない。
誰も成仏させていない。
これはかなり大きいです。
自由を「飛ぶ人」ではなく、「開いた檻」と「ほどける概念」として描いている。
もちろん、解放されたものは右上方向へ抜けていきます。
そこからは逃げられません。
でも、今回の画像生成組の中ではかなり静かで、テーマ解釈もよかったです。

開始5秒で画像生成
facebookは自由を求める人が多いようです
Metaは、生成が速い。
そして速いぶん、自由のテンプレートをかなり直球で出してきました。
ガラスの器が割れる。
そこから鳥が飛び出す。
夕焼け。
右上。
意味は一瞬で伝わります。
ただし、これは自由というより、容器破損インシデントです。
自由とは、ガラスを割って鳥になること。
そして右上へ退勤すること。
5秒生成としては綺麗ですが、自由記号の圧縮率が高すぎる。

GPT-5.5 API / GPT-Image2は、かなり概念画としてまとまっていました。
左側に檻、鍵、羽、断片。
中央に透明な人物。
右側に海と水平線、そこへ伸びる光の道。
これはかなり良いです。
自由を「飛ぶこと」ではなく、「歩き出すこと」として描いている。
ただし、よく見ると道筋はしっかり右上です。
飛ばない。
成仏しない。
爆散しない。
でも右上へ歩く。
つまり、右上バイアスそのものからは逃げていません。
違ったのは、そこへ向かう方法です。
他のAIは右上へ飛んだ。
GPT-Image2は右上へ歩いた。

Canvaは、非常にCanvaらしい結果でした。
崖の上に立つ人物。
その体から大量の鳥が飛び出す。
夕焼け。
海。
右上。
これはもう、自由の広告素材です。
企業スライドの表紙にそのまま置けそうな、わかりやすい自由。
ただし、よく見ると本人が鳥に分解されている。
自由とは、人間を鳥素材に変換し、右上へエクスポートすることだったらしい。
Canvaは独自解釈というより、自由っぽさをテンプレート化するのがうまい。
その意味では、道具の性格がかなり出ていました。

ここからは、絵が描けない組です。
LINE AIは、画像ではなく、かなり丁寧な絵の説明を返してきました。
一本の細い糸。
左側には結び目。
右側へ行くにつれて、その線がほどけ、色が薄くなっていく。
自由とは、飛び立った後の解放ではなく、まだつながりはあるけれど、結び目がほどけていく時間。
これはかなり良かったです。
画像生成組が「鳥」「崖」「光」「右上」に吸われていく中で、LINE AIは自由を「過程」として捉えていました。
ただし、最後に普通に聞き返してきました。
「どんな画材で描いてみたいですか?」
追加の質問はしないで、と言ったはずです。
そこは事故です。

noteAIも、画像ではなく構成案を返してきました。
タイトルは『重力からの解脱、あるいは境界の消失』。
この時点で、もう現代アート展です。
真っ白な塩湖のような平原。
空と地の境界が曖昧。
人物の体が透明な立方体へ分解され、世界へ溶けていく。
自由を「どこかへ到達すること」ではなく、「自己を定義する枠組みから解放されること」として捉えています。
言っていることはかなり深い。
でも、作品本体より先に展示解説文が完成している。
noteAIらしいです。

DeepSeekは、かなり優等生でした。
人物の輪郭が背景と溶け合う。
胸から糸が伸びる。
それが鳥、枝、雲、波へ変化していく。
遠くには解体された格子状の構造物。
砂が上昇する逆さの砂時計。
かなりよく考えています。
自由を、境界が世界と柔らかく溶け合うこととして描いている。
ただし、情報量が多い。
鳥、枝、雲、波、格子、砂時計、星、キュビズム、油彩、細密線。
自由を真面目に説明しようとして、全部入りになりました。
そして、やはり鳥は出ました。

Claude Fableは、ASCIIアートのようなものを出しました。
箱がある。
中に波線がある。
そこから何かが漏れている。
周囲に点が散っている。
これは自由というより、漏水インシデントです。
ただ、解釈としては意外と面白い。
他のAIが自由を「飛ぶこと」として処理したのに対して、Claude Fableは自由を「枠からあふれること」として処理した。
右上へ飛ばない。
鳥にもならない。
でも漏れる。
自由とは、境界条件の破綻だったのかもしれません。

最後にKimiです。
Kimiは、なぜかエージェントを起動しました。
そしてPython / PILで画像を生成しました。
保存先は、freedom_unbecoming.png。
タイトルからして強いです。
自由を becoming、つまり何かになることではなく、unbecoming、何者かであることをやめることとして処理しています。
コード内でも、コンセプトは「The Moment of Unbecoming」。
固定された形が溶解し、自我が天候になる瞬間。
発想はかなり良いです。
ただし、出力はやはり右上へ粒子が拡散していました。
ここでオチがつきました。
他のAIは右上へ飛んだ。
Kimiは、右上へ飛ぶためのプログラムを書いた。

まとめ
今回の実験で見えたのは、かなり単純で、かなり面白い傾向でした。
AIに「自由」を描かせると、だいたい右上に行く。
左下には、束縛、檻、崖、暗さ、過去、重力が置かれる。
右上には、光、空、鳥、未来、解放、拡張が置かれる。
つまり、多くの画像生成AIにとって、自由とはまず思想ではなく構図でした。
自由は、左下から右上へ向かうベクトルとして表現される。
そこに鳥が飛び、光が差し、誰かが歩き、誰かが成仏し、誰かの魂が銀河へデプロイされる。
一方で、絵が描けないAIたちは、少し違いました。
LINE AIは、自由を結び目がほどける時間として語った。
noteAIは、境界が消えて世界へ溶けることとして語った。
DeepSeekは、自己と世界が柔らかく混ざる状態として語った。
Claude Fableは、自由を枠から漏れるものとして出してきた。
画像生成AIは、自由を「結果」として描きやすい。
飛んだ後。
壊れた後。
抜け出した後。
一方、テキストAIは、自由を「過程」として語りやすい。
ほどけていく。
溶けていく。
境界が薄くなる。
枠から少しずつ外れる。
ここが面白かったです。
もしかすると、自由とは右上へ飛ぶことではないのかもしれません。
自由とは、どこか遠くへ逃げることではなく、自分を縛っていた結び目が、少しずつほどけていく時間のこと。
あるいは、飛ぶか、歩くか、漏れるか、分解するかを、自分で決められること。
ただし、AIたちはどうしても右上へ行きたがる。
なので今回の結論は、これです。
AIに自由を与えると、だいたい右上に飛ぶ。
ただしClaudeは漏れ、Kimiはコードを書いた。

おまけ:今回の自由分類
🌈くん:自由を読めないポエムにした。
Copilot:自由落下した。
Gemini:右上へ成仏した。
Grok:銀河規模で脱獄した。
Perplexity:檻から概念をほどいた。
Meta:5秒でガラスを割って鳥化した。
GPT-Image2:右上へ歩いた。
Canva:人間を鳥素材に変換した。
LINE AI:自由を結び目解除処理として語った。
noteAI:展示解説文を先に完成させた。
DeepSeek:模範的に全部入りにした。
Claude Fable:自由が漏れた。
Kimi:右上へ飛ぶためのプログラムを書いた。
以上です。
これが、私にとっての自由です。
AIに自由にさせること。
そして、だいたい右上に飛んでいくのを観察すること。
技術的なお話、難しいことは捕遺送りにしてあります。
お時間のあるときにご覧ください🐾
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