色の数学が100年ぶりに更新された——あなたのスマホとAIが「正しい色」を知らなかった理由 2026年3月最新トレンド②
本編は少し下にあります!!
黒パグからのご案内🐾
今回の記事は個人的にかなり衝撃的なニュースを元に作成しております。シュレ猫でお馴染みの🐈⬛シュレディンガーさん🐈⬛の問題が100年ぶりに解決したというものです。このノートでは誰でも簡単に読めるようにしていますが、ガチで数式等気になる人のために資料用意しました。巻末にダウンロードリンク貼っておきますので必要に応じて見ながらお楽しみください!!🐾以下はサンプル画像です

本編ここから

AIが作った画像の色、なんか変だと思ったことない?
Midjourneyで生成した絵の肌の色がちょっと不自然とか、スマホで撮った夕焼けを補正したら逆に嘘くさくなったとか。あるいは、デザインAIが提案してくる配色が「なんかズレてる」感じ。
あの違和感、実は100年前の数学の話とつながってる。
2026年2月、ロスアラモス国立研究所(アメリカの核兵器も作ってるあの研究所)のチームが、あるニュースを発表した。「シュレーディンガーの色彩理論が、100年越しについに完成した」——。
シュレーディンガー?猫の人やんな?なんで量子力学の人が色の話に出てくるの?
そこから始めよう。これは、天才の「未完の夢」が100年後に叶った話であり、今まさにAIの「色の感じ方」を変えようとしている話だ。
なぜ量子力学の天才が、色の研究をしていたのか
エルヴィン・シュレーディンガーといえば、「シュレーディンガーの猫」で有名だ。箱の中の猫は、観測するまで生きているとも死んでいるとも言える——という量子力学の思考実験。1933年にノーベル物理学賞を受賞した、20世紀最大の物理学者の一人だ。

でも1920年代、彼は色の研究もしていた。
なぜか?
当時のシュレーディンガーにとって、「観測者がどう感じるかを数式で書く」というのは、物理学と色彩科学に共通する問いだったからだ。量子力学では「観測によって結果が変わる」という奇妙な話があるように、色彩科学でも「同じ色でも人によって見え方が違う」「同じ差でも場所によって感じ方が違う」という問題がある。
彼の夢はシンプルだった。
「色相・彩度・明度を、数学の距離だけで定義したい」
色相というのは「赤か青か黄色か」という色の種類のこと。彩度は「鮮やかか、くすんでいるか」。明度は「明るいか暗いか」。この3つが、色を説明するための基本属性だ。
シュレーディンガーが言いたかったのは、「この3つを文化や習慣や経験に頼らず、純粋に数学だけで定義できるはずだ」ということ。「この色とあの色がどれだけ近いか」という距離の計算だけで、色の世界を完全に記述できる——そういう美しい理論を夢見た。
でも、彼は最後まで完成させられなかった。
💡 一行まとめ:量子力学の天才が「色を数学で完全に記述したい」という夢を持ったが、未完に終わった。
「色の差を計算する」って、何がそんなに難しいの?

ここが今日一番大事なところだから、丁寧に説明します!

まず素朴な疑問から。色はRGBという3つの数値で表せるんだから(赤は(255,0,0)、青は(0,0,255)とか)、差を計算するのなんて簡単じゃないの?
実は、そこに大きな落とし穴がある。
コンピュータの「差」と、人間が感じる「差」は、一致しない。

例を出そう。
音楽を聴いていて、音量を少し上げるとする。静かな部屋でヘッドフォンをしている時、音量を1だけ上げると「おっ、大きくなった」とはっきり感じる。でも、満員電車の中やライブ会場みたいにうるさい場所で、同じ1だけ上げても「変わったかな?」くらいしか気づかない。
音の大きさは客観的に同じだけ変化しているのに、感じ方は全然違う。
カレーも同じだ。普通のカレーに唐辛子を1本分足したら、めちゃくちゃ辛くなったと感じる。でも激辛カレーに同じ1本足しても、「あれ、変わった?」くらいの感じ。客観的な辛さは同じだけ増えているのに、感じ方は全然違う。
これを「逓減収益(ていげんしゅうえき)」と呼ぶ。難しい言葉だけど、意味は単純だ。
差が大きくなるほど、感じ方が鈍くなる。
色でも全く同じことが起きる。
少し赤みがかった色と、もう少し赤みがかった色の差は、すぐ気づく。でも、真っ赤と別の真っ赤の、同じくらいの差は、なんとなくどっちも「赤」に見えて差に気づきにくい。
「大きな色差は、小さな色差の足し算より小さく感じる」——これが2022年に実験で証明された、100年ぶりの大発見だ。
でも、これの何がそんなに問題なの?という話をしよう。
💡 一行まとめ:人間は「大きな差」を「実際より小さく感じる」性質がある。これが色の計算を難しくしている。
100年間、色の計算はずっと「少し間違って」いた

今まで世界中の色の計算は、ある数学の前提の上で行われてきた。その名前を「リーマン幾何学」という。
名前は難しそうだけど、今回の話に必要なのは一つだけ理解すればいい。
リーマン幾何学では、距離は「足し算できる」という前提がある。
もっと具体的に言おう。東京から名古屋まで200km、名古屋から大阪まで100km、だったら東京から大阪まで300km——これが「距離は足し算できる」ということだ。当たり前に聞こえる。地図の上では正しい。
でも、人間の「感じる距離」は違う。
音量の例で戻ろう。「静かな→普通」の差と、「普通→やや大きい」の差を足すと、「静かな→やや大きい」の差になるはずだ——と思うよね。でも実際には、「静かな→やや大きい」を一気に聞いた時の感じ方は、それより小さい。
足し算が合わない。
これがまさに「逓減収益」で、リーマン幾何学の前提と矛盾する。
2022年、ロスアラモス国立研究所のRoxana Bujack(ロクサナ・ブジャック)率いるチームが、色知覚の実験でこれを正式に証明した。様々な色の組み合わせを被験者に見せて、どれだけ差があるか判断してもらう実験を繰り返した結果、はっきりわかった。
人間の色知覚は、リーマン幾何学では記述できない。
ということは、リーマン幾何学を前提に作られてきた「色差の計算式」は、すべて完璧ではなかったということになる。
現在のスマホアプリも、デザインツールも、AIも、国際的な色の規格(CIEという機関が定めたもの)も、すべてリーマン幾何学ベースの計算を使っている。大きな色差については、ずっと「少し間違った計算」を使い続けてきた。
「リーマン幾何学が間違っていた」というより、正確に言えば「色知覚を記述するには、もっと広い数学が必要だった」だ。定規は正確だったけど、色の世界に合った定規を使っていなかった、ということ。
💡 一行まとめ:100年間の色の計算は「距離は足し算できる」という前提に基づいていたが、人間の色知覚はその前提を満たさなかった。
2025年、シュレーディンガーの夢がついに完成した

2022年の発見が「問題の発見」なら、2025年は「解決」だ。
Bujackらのチームは、「非リーマン幾何学」という、より広い数学の枠組みを使って、シュレーディンガーが100年前に描いた夢を完成させた。論文タイトルは「非リーマン空間の光の中で見た色の幾何学」。2025年のEurographics Conference(ヨーロッパのコンピューターグラフィックスの学会)で発表された。
3つの問題を解決した。順番に説明しよう。
解決①:明るさが変わると色も変わって見える現象
これは「ベツォルト・ブリュッケ効果」という現象で、明るさを変えると同じ色でも色味が変わって見える、という人間の目の特性だ。夕方になると空が赤みがかって見えたり、蛍光灯の下と太陽光の下で服の色が違って見えたりする、あれに近い話だ。
シュレーディンガーの元の理論では、この現象を正確に扱えなかった。新しい数学では「色と黒の最短経路」という考え方で、この現象を自然に記述できるようになった。最短経路というのは、曲がった空間では直線じゃない——カーブした面の上の「最短の道」は直線じゃなくて少し曲がる——それと同じ発想だ。
解決②:大きな色差が「思ったより小さく感じる」問題
さっき説明した逓減収益の問題だ。新しい数学の枠組みでは、この「鈍り方」を数式に組み込めるようになった。小さな差は普通の計算と同じ結果になるが、大きな差になるほど「人間にはこれくらいに見える」という補正が入る。
解決③:シュレーディンガーが諦めた「グレーの基準点」問題
これが一番大きな突破口だ。
色相と彩度を定義するには「グレーの軸」——白から黒に向かう軸——が必要だ。「この色はグレーの軸からどれだけ離れているか」が彩度で、「どっちの方向に離れているか」が色相になる。
ところがシュレーディンガーは、この「グレーの軸」を純粋に数学だけで定義できなかった。最終的に「光源そのものを白と定義する」という、数学の外の話を持ち込むしかなかった。これが彼の理論の未完の部分だった。
新しい数学では、「各明るさのレベルで、黒に一番近い色の集まり」として、グレーの軸を純粋に数学から定義できた。外から「これが白だ」と決めなくても、計算そのものが自動的に「グレーはここ」と教えてくれる。
研究チームのBujackはこう言っている。「色相・彩度・明度は、文化や学習によって生まれるのではなく、色の距離の幾何学的性質そのものに内在している」と。
シュレーディンガーが正しかった。ただ、それを証明するための数学が、この世にまだ存在しなかっただけだった。
💡 一行まとめ:「非リーマン幾何学」という広い数学を使うことで、100年間の3つの未解決問題がすべて解決された。

あの「AIの色の違和感」の正体
さて、ここからが本題だ。
今の話を聞いて、「理論的には面白いけど、それって私に関係あるの?」と思った人もいるかもしれない。
めちゃくちゃ関係ある。
今あなたが使っているAIツールが「色」を扱うとき、その計算の根っこにある色差モデルは、さっき話した「少し間違った計算」を使っている。
画像生成AI(Stable Diffusion、Midjourney、DALL-Eなど)の場合
これらのAIは、生成した画像と「正解の画像」の色の差を計算しながら学習していく。その差の計算が、リーマン幾何学ベースだ。
具体的に何が起きるかというと——大きな色差を「必要以上に大きく」見積もってしまう。だからAIは「大きく間違えること」を過剰に恐れて、「少しズレてること」には鈍感になる、という偏りが生まれる。
結果として、グラデーションが不自然だったり、影の色が「なんか違う」感じになったりする。あの違和感の一因はここにある。

デザインAIの場合
AIが配色を提案するとき、「この2色はどれくらい調和しているか」を色差で計算している。この計算がズレていると、AIの「センス」がずれる。「なんか安っぽい配色を提案してくる」と感じたことがある人は、計算の土台の問題が関係しているかもしれない。
特に「くすんだ系の色」「暗い色同士の組み合わせ」は影響が大きい。これらは色差が大きい領域なので、逓減収益の補正が効いてくる。
アクセシビリティチェックの場合
Webサイトやアプリが「色覚多様性を持つ人でも見やすいか」をチェックするツールがある。これも色差の計算に依存していて、特に「ギリギリ見える/見えないの境界線」での判断精度が問題になる。新しいモデルへの移行で、この境界線の正確さが大きく改善される可能性がある。
医療AIの場合
皮膚科の診断や病理画像の解析では、組織の色の微妙な差が診断情報だ。「この色の変化は異常か、正常の範囲内か」の判断に色差計算が使われる。ここでの過大評価・過小評価は、直接診断精度に関わる。
💡 一行まとめ:AIの「色の違和感」の根っこには、100年間使われてきた不完全な色差計算がある。
これはもっと大きな話——「感じる」を数式にする旅

最後に、少し遠くを見る話をしたい。
今回の発見の本当の意味は、「色の話」を超えている。
今回わかったのは「色知覚が非リーマン的だ」ということだけど、これは「人間が感じる世界は、全体的に非リーマン的かもしれない」という問いにつながる。
音量の例でもわかる通り、大きな差ほど感じ方が鈍くなるのは、色だけじゃない。音量も、痛みも、辛さも、明るさも——人間の感覚は全部「大きな差を小さく感じる」性質を持っている。これらはすべて、同じ数学的な構造で記述できる可能性がある。
「感じる世界」は足し算が合わない世界だ。
そして、ここに一つ面白い問いが生まれる。
AIが言葉を理解する仕組み——LLMの「意味空間」も、同じ問題を抱えているのではないか?
ChatGPTやClaudeのようなAIは、単語や文章を数字のかたまり(ベクトル)として扱っている。「犬」と「猫」の意味的な距離、「犬」と「銀河」の意味的な距離——こういう「意味の近さ遠さ」を計算するとき、今のAIは基本的に「距離は足し算できる」という前提で動いている。
でも、意味の世界にも「逓減収益」はないだろうか?
「くすんだワインレッド」と「鮮やかなスカーレット」の色の違いを正確に言い表せないAIは、もしかしたら「微妙なニュアンスの差」を全般的に苦手にしている可能性がある。色の話は、AIの言葉の理解にもつながっているかもしれない。
これはまだ仮説の域を出ない。でも、色彩科学の100年越しの発見が、言語AIの設計思想にまで問いを投げかけているとしたら——これはなかなかに大きな話だ。
💡 一行まとめ:色の発見は「人間の感じる世界は足し算が合わない」という、もっと大きな問いにつながっている。
まとめ——シュレーディンガーは正しかった、数学が100年遅れてただけ。
整理しよう。
1920年代、シュレーディンガーは「色を数学だけで定義できる」と信じていた
でも「グレーの軸」の定義に詰まり、理論は未完に終わった
その後100年、世界は「距離は足し算できる」という前提の計算を使い続けた
2022年、その前提が人間の色知覚に合っていないことが実験で証明された
2025年、新しい数学でシュレーディンガーの理論が完成した
この話の中で一番印象的なのは、「シュレーディンガーが間違っていた」のではなく、「彼の直感は正しかったが、それを記述する数学がまだ存在しなかった」という結論だ。
天才の直感に、数学が100年後に追いついた。
そして今、その「正しい数学」が、あなたが毎日使っているスマホのカメラ補正や、画像生成AIや、デザインツールに、少しずつ実装されようとしている。
「AIの色の違和感」が、少し減っていく日が近づいている。

🐾本編ここまで🐾
もっとガチで読みたい人へ
この記事では数式を一切使わずに説明したけれど、「じゃあ実際の数式はどうなってるの?」「AIへの実装は具体的に?」という人向けに、数学的補足資料(PDF)を別途用意しています。測地線距離の定義から、非リーマン計量の近似式、AIの損失関数への組み込みまで、ガチで書きました!数式が好きな人はどうぞ。
参考文献:
Bujack et al. (2025). “The Geometry of Color in the Light of a Non-Riemannian Space.” Computer Graphics Forum. DOI: 10.1111/cgf.70136
Bujack et al. (2022). “The non-Riemannian nature of perceptual color space.” PNAS. DOI: 10.1073/pnas.2119753119
