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食べたくなる「わたしは、このラ-メン」

たぶんあなたは、
「有名だから美味しい」って言われるラーメンに、どこか疲れている。

福島のラーメンといえば喜多方。
そう刷り込まれてきたし、実際に美味しい。
でも私は、白河派だ。

はじめて「とら食堂」のラーメンを食べたとき、
正直、衝撃だった。

派手さはないのに、
それまで食べてきたラーメンと、まるで別物だったから。

澄んだ醤油のスープ。
力強いのに、やさしい。
手打ちの縮れ麺が、
「ちゃんとここにいるよ」と言うみたいに、
スープを連れてくる。

「こんなラーメンがあったのか」
そう思うと同時に、
「なんで今まで知らなかったんだろう」
とも思った。

あとから知った。
福島には、ラーメンの文化が二つある。
喜多方と、白河。
同じ県なのに、成り立ちも、麺も、
スープも違う。

私が心を掴まれたのは、
間違いなく白河ラーメンだった。

でも、そう何度も福島に行けるわけじゃない。
行けたとしても、
行列に並んで食べられるかどうかは運次第。

そんなとき、
出張でよく通っていた宇都宮に、
とら食堂系の店ができたと聞いた。
「みうら」という店だった。

期待半分、不安半分で食べた一杯は、
ちゃんと、あの白河だった。

スープをひと口飲んで、
「ああ、これだ」と思った。

遠くまで行かなくても、
あの味にまた会えたことが、
ただ嬉しかった。

白河ラーメンは、派手じゃない。
でも、一度ちゃんと向き合うと、
忘れられなくなる。

もしあなたが、
静かに「これは好きだ」と言えるものを
大事にしたい人なら、
きっと白河ラーメンは合う。

たぶん私はこれからも、
ラーメンの話になると、
少しだけ声を落として、
「白河派です」と言い続ける。

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