防人の島~千葉県 東京湾第二海堡(2005年5月4日)
はじめに
今回も、古いデータを引っ張ってきます。鉄道の要素が全くなく、申し訳ありません。護岸整備工事が行われる前の第二海堡の様子をご紹介します。この1カ月に上陸禁止となり、現在はツアーでのみ訪問可能となっています。
第二海堡とは
古いアルバムを眺めていたところ、偶然、東京湾に浮かぶ無人島の写真を発見した。早速ネットで調べてみると、それは「第二海堡」という人工の要塞であることがわかった。さらに、釣り船で渡ることができ、キャンプも可能だという。そこで、2005年のGWに職場の先輩を巻き込んで、1泊2日のツアーを敢行した。


漁船で上陸
京急金沢八景駅から船乗り場まで歩く(シーサイドライン野島公園駅が最寄駅)。自宅を出て1時間もかかっていない。日常の気分から脱する間もなく、漁船に乗り込み荒波を蹴立てて30分、第二海堡の船着場に到着した。

レンガ造りの要塞は、1889年(明治22年)より埋め立てが行われた東京湾の防衛基地だった。第一から第三まで3箇所の人工要塞があるが、第三は撤去中。現在、一般人が渡れるのは第二だけである。要塞も、関東大震災で壊滅的打撃を受けて廃墟同然になっている。到着して驚いたのが、崩壊したレンガ造りの壁などが、そのまま残されている事。さすがに地下壕への入り口は埋められているが、所々に開いている謎の入り口もあって不気味な事このうえない。


私たちは廃墟を見学したり、灯台を眺めたりしていたが、一般的にここは磯釣りのメッカ。この日も多くの人がテント持参で釣りを楽しんでいた。釣りをしない我々は、夜釣りに邪魔にならないように、内陸側にテントを張ってキャンプを楽しむ事とした。

ところで、子犬のように女の子がついてくる。キャンプをしながら釣りに来ていた家族の子供だ。まだ小学校低学年だと思われるその子は、大人が釣りに夢中になっている事に退屈して、私たちと遊ぶことを選んだようだ。
東京湾の安全を見守る灯台
日が暮れた。灯台に灯がともった。音もなく、サーチライトが回転し、4方向へ同時に光線を投げかける。灯台に興味を持って以来、光る灯台を間近で見るのは初めてだった…。夜になると、横須賀や千葉の両岸の夜景が一望でき、観音崎灯台の光も確認できた。


遠くに行くだけが旅ではない
翌朝、深い朝霧の中、船の汽笛で目が覚める。こんなキャンプも珍しい。楽しいが、次の予定(横須賀の軍港巡りツアーを申し込んでいた)もあるので、9時30分発の船で島を出る。昨日の女の子に、
「じゃぁ、帰るね」と別れを告げると
港まで見送りに来てくれた。手を振る姿にジーンと来てしまった。遠くに行くだけが旅ではない。そんな事を思った第二海堡への旅であった。

無人島なので水は無い、風を凌げる場所も無い、また瓦礫が散乱していて危険でもある。この島でキャンプしたい人は天気、特に風に気をつける必要があると思う(現在はキャンプ不可です)。
訪問日:2005年5月4日
執筆日:2005年5月8日
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