ライブ遠征記 後編『サンボマスター全員優勝VICTORY25「全員優勝パレードツアー~全員優勝決定シリーズ~」』感想―開演3分遅れ、それでもギリ間に合った夜
物販列は、最後まで容赦がなかった。
時計を何度も見ながら、何を買うか考える。

タオル、光れ光れしあわせの花、ステッカーにしよう。
同行者の分も含めてセットで買うことにした。
タオルはツアータオルと「全員優勝」タオル、両方いくつもりだった。
——その直前で、売り切れ。
「まあ、全員優勝タオルは昔買ったやつがあるからいいか」
そう自分に言い聞かせて、会計を終える。
時間を見る。16時03分。
開演、3分過ぎてる。
走った。
会場に入ると、オープニング映像が流れていた。
まだ間に合う。
席に滑り込んで、息を整える。
その瞬間、3人がステージに出てきた。
サンボマスターだ。
1曲目から、もうダメだった。
「美しき人間の日々」。
この曲を、生で何回聴いてきただろう。
それでも毎回、同じところで胸が締めつけられる。
うまく言えないけど、
「それでもいいんだ」と言われている気がする。
曲が進むごとに、会場の熱が上がっていく。
「輝きだして走ってゆく」あたりで、完全にスイッチが入った。
気づけば、周りも自分も、全力で声を出している。
トークも相変わらずだった。
まっすぐで、少し不器用で、でもやたらと刺さる。
「ちゃんと生きろよ」
「お前のままでいいんだよ」
そんな言葉を、真正面からぶつけてくる。
正直、くさいと思う人もいると思う。
でも、自分にはそれが必要なんだと思う。
終盤、「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」。
もう何回も聴いているのに、やっぱりダメだった。
気づいたら、泣いていた。
理由はうまく説明できない。
ただ、しんどい時に聴いてきた曲が、
そのまま目の前で鳴っている。
それだけで、十分だった。
アンコールまで含めて、全部出し切るようなライブだった。
「できっこないを やらなくちゃ」も、
「ロックンロール イズ ノットデッド」も、
もう何も考えずに叫んでいた。
——結局、また泣いた。
何十回も来ているのに、毎回同じだ。
でもそれでいいと思う。
たぶん自分は、もともとネガティブな人間だ。
だからこそ、こういう真っ直ぐすぎる音楽に、何度も救われている。
無理やり前向きになるんじゃなくて、
「そのままでもいい」と言われるために、ここに来ている気がする。
今回もまた、生きるためのエネルギーをもらった。
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