ハンドリングが足りないのは分かっている。でも、それだけじゃ勝てない。
先日の練習で、スクールの出張クラスを入れてみた。
以前から保護者の方々からも要望があり、夏休みに入ってすぐのタイミングで実施。90分間、みっちりドリブル中心のメニューだった。
ポールを立てて、それをかわしながら最後はシュートまで持っていく。
いわゆるハンドリングスキルを徹底的に反復する内容だ。
そして、その90分で改めて浮き彫りになったものがあった。
「6年生のハンドリング、思った以上に厳しい」
いや、正確に言うと分かっていた。
分かっていたけど、現実を目の前で見せられて再認識した感じだ。
だからこそ、今のチームではなるべくドリブルに頼らないバスケットを目指している。
まずフロントコートまで運べないと試合にならない。
なので苦肉の策ではあるけれど、パッシングダウンやハンドオフを使いながら、くるくるとボールを回して前進する。
女子の強豪チームがよくやるような形に近いかもしれない。
どうにかフロントコートまで運べれば、このチームには武器がある。
1対1で勝負できる選手もいるし、サイズもある。
だからまずはそこまでたどり着くことが大事なのだ。
スクール終了後、保護者の方が何人か声をかけてくれた。
「普段の練習でももっとハンドリングをやった方がいいんじゃないですか?」
まぁ、そう言われるだろうなとは思っていた。
もちろんハンドリングは大事だ。
むしろ大事じゃないとは一度も思ったことがない。
ただ、ドリブルワークというのはテスト前の一夜漬けみたいなものではない。
週に1回まとめてやったから急に上手くなるわけでもない。
だから今年度のチーム目標としては、あえて**「パッシングバスケット」**を掲げている。
チーム練習ではチームとして強くなる時間を優先する。
そして個人スキルは、各自で磨いてほしい。
子どもたちにもそう伝えている。
保護者の方にも、
「スクールは個人スキルを磨く場所。部活はチームを作る場所」
そういう考え方を話した。
もちろん理想を言えば、全部やりたい。
ハンドリングも。
シュートも。
ディフェンスも。
セットオフェンスも。
チームルールも。
でも現実はそう甘くない。
平日の練習なんて、仕事を終えて体育館に向かう頃にはもう練習時間の残りはわずか。
そこからウォーミングアップをして、チーム練習をして、ゲームをして、片付けをして…。
気づけば終わっている。
正直、ハンドリングだけに20分も30分も使う余裕はない。
その5分があるなら、5OUTの動きや間合いの確認をしたいと思ってしまう。
個人練習と集団練習。
この両立が本当に難しい。
コーチをしていると、いつもこのジレンマにぶつかる。
チームとして勝つための時間を確保したい。
でも個人スキルも伸ばしたい。
どちらも正解だからこそ悩ましい。
ちなみに、うちの息子には練習後に家で10分ほどドリブルワークをやらせている。
そのあとお風呂。
まだ試合ではなかなか発揮できていない。
だけど、確実にボールが手についてきているのが分かる。
結局のところ、ハンドリングは毎日の積み重ねだ。
体育館での20分より、自宅での10分を100回続ける方が強い。
来年のラストイヤーまでに、武器と呼べるドリブルスキルを身につけてくれたらうれしい。
そしてそれは、息子だけじゃなくチーム全員にも言えることなのかもしれない。
「もっとハンドリングをやるべきだ」
その意見は正しい。
でも、
「限られた練習時間で何を優先するのか」
これもまた、コーチの大事な仕事なのだ。
