有川ひろ『クロエとオオエ』を読む とても気持ちの良い作品だった。
有川浩から「有川ひろ」に改名してから初めての作品を読んだ。昨日、投稿した「多類婚姻譚」のような現代的複雑なカップルとは違う心温まる2人の話だったが、この2人をつなぐジュエリーというものの奥の深さを教えられる作品だった。
主人公のオオエは宝飾店の跡継ぎ御曹司でイケメン男子である。そのため、モテる人生を歩んで来たと自認する大江頼任が、初めて女性を意識した相手が自分の宝飾店の取引先のジュエリー職人である黒江彩である。今まで自分の家の家業である宝飾店を継ぐのが当たり前と考え、学生時代の恋愛と家業を継ぐ結婚とは別物と考え、誰にも恋心を持たなくてもモテてきたオオエは初めて心をときめかせたクロエは独創的センスを持ったジュエリー職人であった。
その後出てくるジュエリー用語に頭がクラクラしながら話の展開のおもしろさに惹かれて先へ先へと連れて行く力。さすが有川センセイ。
イヤーカフ、アームのサイドのメレダイヤ、ジュエリーワックスというロウのような素材を削って型を作る技法、ペアリング(2人おそろいのもの)、マリッジ(これは結婚指輪ではないか)、小指にはめるピンキーリング等々、宝飾とは縁がなく生きてきた私としては、ほとんどついていけないが、この二人の関係がその後どうなるんだと最後まで読んでしまった。
最近珍しいとてもさわやかな気持ちのいい作品でした。
