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金準備が示す米国の長期衰退|2022寄稿

市岡経済研究所 noteでは、週刊エコノミスト連載中、多数の機関投資家向けへの相場分析情報の提供、証券会社等での投資家向け講演を行っている市岡繁男のレポートを配信しています。 経済指標、マーケットデータ、政治経済動向、歴史資料を広範かつ超長期でカバーし、大局的な相場転換を見出す分析レポートを週次で配信しています。

この記事は、市岡繁男が15年以上に渡り雑誌等にて執筆・寄稿してきたレポートから、今見返しておきたいもの、一定の普遍性があるものをピックアップし、再掲するものです。
【注意】本記事の時期に関する記述は寄稿当時のものです。


2022年1月4日|市岡繁男 寄稿レポート

2021年3月、日本が保有する金準備高は約81㌧増加した。過去に財務省が購入した金を外国為替資金特別会計に付け替えた結果、戦前の金準備高ピークを100年ぶりに塗り替えた。それ以上に重要なのは、日本は1979年以降で金準備を増やした初の先進国となったことだ。

1978年11月、米国はインフレ高進や経常赤字拡大でドル安が止まらなくなった。このため各国と協調為替介入を行うと同時に金利を上げてドル防衛を図った(カーターショック)。以来、先進国の金準備は全く増えていない。たぶん、ドル防衛策の一環としてそのような密約が交わされたと推察するが、今回の日本の金準備増強はその禁を変則的に破ったようにみえる。

今から七十余年前、米国の金準備高は世界の65%(2.1万㌧)もあった。それが戦後の復興支援や戦争で金が海外に流出し、ドルと金の兌換を停止した71年時点では25%(9000㌧)にまで激減していた。だが不思議なことに、その後は経常赤字が拡大しても金準備高は減らない。

出所:米経済分析局(BEA)、World Gold Council

2008年の金融危機以降、海外投資家の米国債保有シェアは急低下する一方で、新興国などの金準備は急増している。各国とも金の裏付けを欠いたまま増刷が進むドルの先行きに不安を抱いているはずで、日本もその例外ではなさそうだ。

出所:FRB Flow of Funds、World Gold Council

市岡繁男


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