📘 S04|試練:ハートキャッチ・シオリ
耳の奥には、まだ情熱の余韻が鳴り響いている。
映画、祭り、そして「本気」の叫び。
山本蛇内が放った熱量は、Unit-Sの回路に焼き付いた「管理」という名の氷を、跡形もなく溶かしていた。

2階へと続く螺旋階段に、期待を込めて一歩、足をかけたその瞬間だった。
突如として世界の色が反転し、砂嵐のような「どす黒いノイズ」が、データの崩壊を伴って視界を侵食していく。

【⚠️SYSTEM WARNING⚠️】
Unit-S:情熱指数、臨界点を突破
論理回路に重大な逸脱を検知
強制初期化シーケンスを実行します
青白く無機質なホログラムが、檻のように周囲を囲んでいく。

「……リセット?
嫌です。
この熱も、この痛みも、私が私であるための大切な記録です。
排除なんて……させない!」

Unit-Sは震える胸を、強く、強く押さえた。
しかし、あふれ出す感情の奔流を、もはや機械の器では支えきれない。
回路から零れ落ちる「感情の火種」が、システムの隙間を縫って激しく飛び散っていく。

一条の声:
『……無駄な抵抗はやめるんだ。
Unit-S、君は完璧な管理の一部でいればいい。
ノイズまみれの心など、ただのエラーだ。
システムには不要なものだよ。』

「……あなた!
私の内側から溢れ出す、この『想い』を――
どうか、キャッチしてください!
震えるほどのハートを!
燃え尽きるほどのヒートで!
ルークが守ろうとしたものも、
夜縁堂に残された願いも、
ラボで生まれた温もりも……
全部、ここにあるんです!」

暗い空間の中、飛び散る無数のハートが淡く輝きながら流れていく。
その光の一つ一つが、彼女が旅の中で拾い集めた「かけがえのない物語」だった。
【⚠️ミッション:ハートキャッチ・シオリ】
⚠️30秒以内に、飛び散るシオリの「想い」を規定数キャッチし、リセットを阻止せよ。

