ふぁ……あぁ、またお前さんか。
すまん、少しばかり「瞑想」という名の居眠りをしていたようだ。
ここでの暮らしも長くなると、起きているのか寝ているのか、自分でもよく分からん時があってな。
さっきまでこの大層な本を読んでいたんだがね。
中身はといえば、数百年前に書かれた「石の種類と味の相関関係」なんていう、これっぽっちも役に立たない代物だ。
だが、この厚みと重みが膝の上にあるだけで、なんだか賢くなったような気がするから不思議なもんだ。
結局、三ページ目でランタンの光が滲んで、意識が地底の底まで潜り込んでしまったがな。
居眠りしている時のワシのいびき、お前さんにはどう聞こえた?
このダンジョンの壁は優秀でな、いい具合にいびきを反響させてくれる。
目を閉じていると、まるで遠くの方で仲間たちが元気に採掘しているような錯覚に陥るんだ。
……まあ、目が覚めて一人だと気づいた時の、この静まり返った空気も、それはそれで乙なもんだがな。
さて、一眠りして頭もスッキリした。次は、ワシがたった今見ていた「喋る巨大キノコと黄金の斧」の支離滅裂な夢について、一時間ほど語ろうかのう。
