『虎に翼』第19週94話 優三さんからの手紙
思えば、それは初めから特別な回になる予感がしていた。
寅子が家に帰ると、そこには花江がいた。花江が新潟にやってきたのだ。寅子や優未との久しぶりの再開を果たす。
再会してからの2人の会話は、演技に見えなかった。寅子が直通のモノマネをするのだが、その「似てる/似てない」のやり取りは、本当に久しぶりに会った伊藤沙莉と森田望智が、じゃれ合っているように見えた。
喫茶ライトハウスで食事をする航一。そこに涼子様が語りかけ、助言する。
「寅子ちゃんは昔からお気立てはよろしいけれど、全方位に愛がおありで、恋愛ごとの機微のようなことには無頓着ですの。ですから、後悔なさらぬように」
そして優三からの手紙である。それはかつて寅子が優三に渡した手紙の中に入っていたのを、優未が見つけたものだった。
画面は寅子の表情が映し出される。
寅子が手紙を読み上げる。
次第にその朗読は、優三自身の声になる。
それは、優三から寅子への、「もう一つのお願い」だった。
泣き出す寅子の表情。花江、優未と抱き合う。
優三は出征する前も、弁護士を辞めて人生に打ちのめされていた寅子に、今一番必要な言葉をかけていた。
そして今また、航一への気持ちに戸惑っている寅子に対して、一番必要な言葉をかけた。
「ホンットにあんたはいつも…!」
ただただその空間には、奇跡みたいな優しさが溢れていたのだった。
