『虎に翼』第12週 「間違え」てしまった人、「間違い」を許すこと/許さないこと
「虎に翼」第12週のテーマは、人がしてしまう「間違い」についてだった。人は誰でも「間違え」てしまうことがある。問題は、その後どうするか。そして人は、間違いを許すのか。許さないのか。
この週ではそんな「間違い」をめぐる様々な立場が、各キャラクターを通して描かれる。
■猪爪家で起こった事件
以下この週で描かれる「間違い」を挙げる。
・寅子…戦争孤児である道男を家で預かることに決めて、家族から白い目で見られる。
・道男…花江に向かって「直通の代わりになれないか」と迫ってしまう。
・はる…そんな道男を冷たい眼で見てしまう。
道男が出ていったあと、はるが危篤状態に陥ってしまう。はるは「人生に何ひとつ悔いなし」と呟く。しかし、唯一心残りなのが…
「道男くん!」。花江が気づく。
寅子は道男を探しに行く。そして寅子は道男に危篤のはるに会いに来てほしいと、涙ながらに必死の説得を試みる。
「誰でも失敗はするの。大人も。あんたも。
でもまっとうな大人は、一度や二度の失敗で子どもの手を離せないの。離せないの。関わったら、ずっと心配なの。そういうものなの。」
「ずっとずっと心配かけてきたの。だから最後の願いぐらい叶えてあげたいの。」
道男は寅子の言葉によって心が動かされ、はるに会いに行く。この回で、はるは静かに息を引き取る。
■許すことができない裏にある心理
もう一つ、この週で「許す/許さない」を表した関係がある。寅子とよねだ。
再開を果たした寅子とよねだったが、よねは寅子に心を閉ざしたままだった。彼女は寅子が法曹界を去ったことについて、許していなかったのだ。
「いついなくなるかわからないやつの言葉は響かない」
よねは怖かったのだ。寅子がまた自分の前からいなくなることが。相手に期待して、それを裏切られたと思ってしまうことが。
寅子とよねが和解するのは、もう少し先の話になる。
■許す/許さないの選択
ところでこの週で描かれた「間違い」は、後になるのも含めれば、全て「許された」間違いである。
しかし、筆者が最後に付け加えることがあるとするならば、「間違い」を「許す/許さない」はその人の選択に委ねられているということだ。
許されることのない「間違い」も世の中には存在する。そして、それを「許さない」権利も存在する。
この『虎に翼』という物語では、その「許されない間違い」も描かれる。そのことを、ここで述べておこうと思う。
