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【#10】 空気は、「共同」です。

化学物質過敏症のことをシリーズで書いていますが、いつもこの話題になると熱くなりすぎて、
どうしてもまとまらず、投稿を避けてきました。

これが原因で、私と同じような苦しみで悩む人を一人でも減らしたい。

そんな思いがある一方で、

書いていくうちに、

「これさえなければ!」

という悔しさが渦巻いて、筆が止まってしまうのです。


※負の感情を強く受け取ってしまう方や、敏感な方は、無理に読み進めるのを控えてください。


 耳を疑う「賢い選択肢」というポジティブな言葉


ネットや店頭で目にする電子タバコの広告。

「紙タバコより安い」

「有害物質が出ない」

「リラックス効果がある」


それらを見るたび、私は激しい憤りを感じます。 

私はコロナ禍のわずか3ヶ月で、近隣住人が吸う電子タバコの副流煙によって、健康も、家財も、それまでの人生のすべてを奪われたからです。


1. 「空気は、共同なんです」


多くの人は、「自分の部屋で吸っているのだから、誰にも迷惑はかけていない」と思い込んでいます。しかし、それは大きな間違いです。


空気は、共同です。


あなたが窓から吐き出したその「水蒸気」は、壁を伝い、通気口を抜け、エアコンの室外機を通って、近隣住人の肺へと流れ込んでいく。

「自分の自由」だと思っている行為が、他人の吸う空気を、本人の許可なく汚染しているという事実に、あまりにも無自覚すぎます。


2. 「ただの水蒸気」がもたらす物理的な破壊


電子タバコに含まれるプロピレングリコール(PG)や香料は、気化して「水蒸気」のような顔をしながら家中を回り、あらゆる場所に付着します。

また、一度付着したプロピレングリコールは拭いても落ちにくく、厄介な事に、香料を纏ったまま、それが度重なって起こると層のように厚みを増して行くのです。

ホコリも吸着しやすいため、折り重なった層は、簡単に落とすことができなくなるどころか、素材そのものを傷める要因になります。

落ちないベタつき:一度付着した成分は、洗剤で拭いても落ちません。壁紙、扉、窓、そして家具のすべてが、目に見えない化学物質で汚染されていきます。

現在は特に汚染のひどい2部屋を完全に封印し、限られた居住スペースで生活する事を余儀なくされています。

衣類・思い出の品への吸着:洗濯しても臭いは落ちません。タンスやクローゼットの中まで入り込んだ化学物質により、お気に入りの洋服、スーツやドレス、式服、手作りの浴衣、手編みのセーター、受け継いだ着物や帯。装飾品など。
大切な思い出の品々が、触れることすらできない「汚染物質」に変わりました。

数週間水に漬けて成分を分解させる方法も見つけましたが、繊細な生地には向いていません。

紙類・コレクションの全滅:本、雑誌、スケッチブック、イラスト、大切な手紙、写真、カード類、レコード、雑貨、ゲーム、絵画、コレクションしていたたくさんの品。売り物もたくさんあります。
触れるだけで手に化学物質がべったりと付くため、今はビニールと圧縮袋に封印するしかありません。

電子機器の故障: 粒子が精密機器の内部に入り込み、じわじわと蝕みます。

  •     買って間もないテレビに虹色のノイズが発生。

  •     パソコンのキーボード内部はベタベタ。

  •  パソコン本体やゲーム機は起動する度にファンから内部にこびりついた化学物質を発生。

  •     音楽機材はガリがひどくなり、使用不能に。

  •     楽器バッグのウレタンは3ヶ月でボロボロ。

  •  扇風機はモーターが発熱し、ハロゲンヒーターは電熱線部分に付着し化学物質が気化する。

  •      空気清浄機や除湿機は、フィルターを替えても数日で「化学物質発生器」に変わり、捨てるしかなくなりました。


これらはすべて、私が築いてきた財産です。
もう二度とと手にはいらない思い出が詰まったものもたくさんあります。
買い替えられる物だとしても、それは自分の資産を削り取られているのと同じなのです。

 3. わずか3ヶ月で「すべて」を失った


コロナ禍のステイホーム中、近隣住民は昼夜問わずベランダや窓から電子タバコを吸い続けました。

私は寝ている間も、高濃度の副流煙を吸わされ続け、わずか3ヶ月で「化学物質過敏症」を発症しました。


後に抗議した事で、あまりに身勝手な内容が分かりました。

電子タバコの副流煙は身体に悪いこと、自分の家で吸うと匂いが付いて取れなくなることを知っていたのです。

自分の家を汚したくない、同居する母親に嫌がられたくない。
だから、できるだけ自分の家に副流煙が入らない工夫をして、外(我が家の方)へ向けて吸っていた。
それが当然で、謝る素振りもない。


その後、

私の健康被害を伝えた後も、隙を見ては吸い続けていました。

これが、嗜好品という名の「自由」の裏側にある現実です。


隣人ガチャに完全に外れ、当たり前だった生活は一瞬で崩れ去りました。

マンションの構造上副流煙が入りやすいのと、コロナ禍という偶然が重なったからという稀なケースではありますが、

可能性はゼロではありません。


家に居られず車に避難して過ごすことが当たり前になる。

そんな理不尽が、今この瞬間もどこかで起きています。


 結び:世界は「禁止」へ、日本は「放置」へ


タイやシンガポールでは、電子タバコを「公衆衛生への脅威」として厳格に禁止しています。

 一方、日本ではニコチンを含まない電子タバコは、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の対象外であり、食品衛生法などの規制も受けない「雑貨」として扱われています。


 この「雑貨」扱いという現状が、極めて深刻なリスクを生んでいます。

成分表示の義務すらなく、何が含まれているか不明な製品が野放しになっているのです。

厚労省も財務省も管轄外として責任を押し付け合う。 この法制度の空白が、「水蒸気だから安心」という無知な加害者を再生産し、他人の人生を狂わせる暴力を正当化させているのです。


吸っている人は、どうか思い出してください。

あなたが吸っているその空気は、あなただけのものではない。誰かと「共同」のものなのだということを。


「知らなかった」では済まされない被害が、現実に起きています。


追記

近隣住民がようやく引っ越して約1年になります。

私からの抗議でいられなくなったのが原因かと思っていましたが、他にも騒音問題やゴミ出し問題等、ルールを守らない行為が頻繁にあり、周りの住民達から苦情が多かったことで、元々分譲で購入して賃貸として貸し出していたオーナーが売りに出すことを決めたそうです。
賃貸では住めなくなった為、引っ越したというのが事実だそうです。

話が逸れましたが、1年経った今でも、私の症状も家財に付着した化学物質も消えることはありません。

この投稿をするまで、

「生きてるんだからいいじゃないか」
「人を憎むから前に進めないのではないか」
「財産にこだわるのは良くないのではないか」
「引っ越せばいいんじゃないか」

と自分に言い聞かせようとしたこともありました。

でも、やっぱり我慢したくない。

誰にどう思われてもいい。

許すことができないものを、無理に許す必要はない。


それが私の本心だと認める覚悟ができました。

たくさんの方に勇気をもらって、私は前を向いて歩いていく。

そう決めました。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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