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札幌駅|北のターミナルで、コーヒーとともに感じる都市の大きさ

 札幌駅に降り立つ。

 4月上旬の午後、15時ごろ。
 日差しはあるが、空気にはまだ冷たさが残っている。

 ホームは広く、線路が奥までまっすぐ伸びている。
 そこに入ってくる特急列車は、本州で見るものとは少し違う。

 長く、重く、どこか力強い。
 雪の中を走ることを前提にしているような、その存在感。

 ゆっくりと停まり、また静かに動き出す。
 遠くの街へ、人を運んでいく。

 改札へ向かう。

 人の流れは途切れない。
 観光客らしき人も、ビジネスマンも、それぞれの目的地に向かって歩いている。

 足取りに迷いはない。
 この街では、立ち止まる理由があまりないのかもしれない。

 外に出る。

 風はひんやりとしているが、冬の鋭さではない。
 少しだけやわらかくなっている。

 近くのセイコーマートに入る。

 カフェラテを買う。

 カップを手に持つと、周囲の速さから少しだけ外れる。

 一口飲む。

 やわらかい。
 ミルクの味が、しっかりと広がる。

 濃すぎず、軽すぎず、ちょうどいい。
 北海道らしさ、という言葉が頭に浮かぶが、それが何かはよく分からない。

 外に戻る。

 ビジネスマンが足早に通り過ぎていく。
 時間に追われているようでいて、その動きには無駄がない。

 私は、コーヒーを飲みながら立ち止まっている。

 同じ場所にいても、流れに乗っている人と、そうでない人がいる。

 札幌は、ラーメンの街でもある。

 どこにでも店があり、どこもそれなりにうまい。
 選ぶことができるというのは、自由でもあり、少しだけ面倒でもある。

 何でも揃っている街。

 移動も、食事も、仕事も。
 困ることは、ほとんどない。

 それでも、その中でどう過ごすかは、自分に委ねられている。

 ホームに目を向けると、また特急列車が動き出している。

 遠くへ向かう列車。

 ここに残る人たち。

 どちらも、この街の一部だ。

 もう一口、コーヒーを飲む。

 ミルクのやわらかさが、口の中に残る。

 この大きな街は、誰か一人がいなくても変わらず動き続ける。

 その中で、自分がどこにいるのかは、はっきりしない。

 ただ、この一杯の時間だけは、確かに自分のものだった。


札幌駅


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