趣味の話〜ぶっ飛んだ時代小説〜
こんにちは、カフーツです。
今日は最近読んで面白かった稲葉大樹さん著『大江戸フューチャーズ』の紹介です。
・普通の仕事術や組織運営の自己啓発本は少し読みづらい、もくしくは飽きてきた。
でも、ビジネスの視点や組織改革の面白さには興味がある。
・歴史小説に興味はあるけど、堅苦しいのは苦手。
・変わった設定の小説が好き。
この本はそんな人でも物語の世界に入り込みやすく、勉強になる部分もあるのでオススメです!
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第67回メフィスト賞受賞作で、
現代の"コンサル(小説内では今猿)"✖️"江戸時代"という、インパクト満点のぶっ飛んだ設定に惹かれて買ってしまいました。
メフィスト賞はかなりぶっ飛んだ設定の小説も多いので、受賞は納得です。
時代は、江戸時代の八代将軍徳川吉宗の時代。
先代までの杜撰な運営により、慢性的な赤字体質で財政破綻寸前の幕府をどう立て直してゆくか、という物語です。
いわゆる『享保の改革』ってやつです。
時代小説ですが、横文字も多いので、余り時代小説得意じゃない私にとっても読み易かったです。
あくまで史実を基にしつつ、
「もしコンサル(今猿)が幕府のアドバイザーに就いていたら、きっとこんなサポートをしただろう」
という話なので、
・大奥の大リストラ
・倹約令
・新田開発
・上げ米の制
・目安箱
・堂島米会所
といった、実際に吉宗が主導した改革が出てきます。
物語上ではコンサルが考案した物が多い設定ですが、当時も優秀なブレーンがきっといたのでしょう。
私は高校時代、日本史専攻だったので
「そう言えばこんな政策あったなぁ」
と懐かしい気持ちでした。
ただ当時は、単語を覚えることに必死で、その言葉の意味まで深く理解していなかったです。
改めてこの本で勉強してみると、現代の組織運営でも行う施策ばかりだからまた面白い。
良くも悪くも、"時代が変わっても組織運営で重要なことは普遍"ということなのか。
そして、この今猿達、当たり前だけどめちゃくちゃ優秀。
全体を俯瞰し、
要素をブレイクダウンして、
その中で課題を特定し、
優先順位を立てて、解決策を実行してゆく。
重要だけど忘れがちな仕事術について描写されていて、ハッとしました。
本当に凄いのはここから。
鋭すぎる政策提言は勿論、実行するにあたって
キーパーソンをどう巻き込むか、
よく思わない人のケアをどうするか、
とかまでちゃんと踏み込んでサポートしてゆく。
結局、組織は人の集まりだから、幾ら優れた施策でも、協力してくれる人がいなければ机上の空論でしかなく、何も生まれない。
この話は、一番難しい実行フェーズにもしっかりと焦点が当たっているのが素晴らしい。
私は仕事上、コンサル業界とは接点が無かったですが、こんなアドバイザーがいたらとても心強いだろうなぁ。
ただ、この作品の魅力は仕事術だけではありません。
幕府再建という大きな使命を背負う吉宗自身の苦悩や葛藤も丁寧に描かれています。
仕事の部分だけだと無機質になりがちですが、そういった心情描写があるからこそ、血の通った素晴らしい小説になっていると感じました。
"何を目指してゆくのか"
"どうなりたいのか"
といった人間誰しもが普遍的に持っている悩みにもがきながらも立ち向かってゆく姿は、将軍という肩書きを忘れて、1人の人間として身近な存在に映ります。
とはいえ将軍なので、要所要所で
「羨ましい〜笑」
という描写は出てきますが笑
特に大奥の女性達との関わりでは笑
歴史小説に興味がある人はもちろん、仕事や組織運営に興味がある人にもおすすめの一冊でした。
……もちろん、大奥パートを楽しみたい人にも笑
