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酒井健『ゴシックとは何か 大聖堂の精神史』

中世キリスト教信仰と自然崇拝が生んだ聖なるかたち。その思想をたどり、ヨーロッパを読み直す。
大聖堂はなぜ高いのか?
ヨーロッパの心を読む!

僕が持ってるのは講談社現代新書版(2000年初版)だけど、今はちくま文芸文庫に入っているようだ。
現代新書版は、ゴシック・リバイバルの節でガウディについて触れながら、「許された紙幅は尽きてしまっている。稿を改めて、読者諸氏とカタロニアからゴシックの旅を続けたい。」と終わっている。
ちくまの文庫には、ガウディについての補遺が収録されて完全版と謳っている。今読むならぜひちくま文芸文庫で。


三読。酒井健と言えばバタイユなのだけれど、本書にもバタイユの蕩尽やエロティシズムの概念が援用されている。建築的な観点ではなく、ゴシック建築を西洋精神史の文脈で捉えるという試みは、いかにも著者らしいアプローチで興味深い。

北方ヨーロッパで、森林を開墾し農地を増やしていった農業改革から、ゴシックは導かれた。都市の発生や、喪われた自然への憧憬、大系だったキリスト教と、奔放な土着宗教の、相克と融合。

そういった精神史を背景に、ゴシックの発生、受難、そして復活という歴史ドラマをスリリングに描いて読ませる。

ゴシック・リバイバルの流れが印象派のモネにまで及ぶというあたりは、ちょっとこじつけではと思ったりもするけれど、まぁ全体にとても面白い。

中でも一章ゴシックの誕生が、ゴシックの発生と発展を明晰に跡付けていて読み応えがある。とても勉強になる。

一方で、Amazonのユーザレビューではいくつか批判もあって、その指摘もまた参考になる。本書では触れられていない大切なことがまだまだあるようだ。もっと勉強しないとな。


前回この本を読んだあと、マールの『ヨーロッパのキリスト教美術』を読んだ。そのことが3回目の今回の読書の大きな助けになった。こちらも読み返してみないとな。


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