網野善彦『日本社会の歴史 上』

現代の日本・日本国は,いかなる経緯をへて形成されたのか-.周辺諸地域との海を通じた切り離しがたい関係のなかで,列島に展開した地域性豊かな社会と,「国家」とのせめぎあいの歴史を,社会の側からとらえなおす.著者10数年の学問的営為の結実した本格的通史.上巻は列島の形成から9世紀まで.

曲がりなりにも古代史に興味関心を持って、何冊かの本を拾い読みしているけれど、日本古代社会全体を概括的に取えたいと思って再読。

今の僕の関心とリンクする、古墳時代から律令制の確立のあたりまでは楽しく読んだ。この本で日本古代史の見取り図を頭に描きながら、これまで読んできた古代史関連の本を再読したい。

すでに新石器時代(縄文期)から、列島には多様な文化か並立していたという、当たり前ながら重要な指摘も網野先生の真骨頂。

ただ、奈良時代以降は、描写される対象と説明量とがややアンバランスというか、細かな歴史的事象について触れながら、専門性の高い用語や人物について説明がないため、少し無味乾燥な印象も受ける。

次第に資料が増えてきて詳しく分かっていることが多い時代になってきているので、何処まで説明的に掘り下げるのかというのは難しい塩梅なのだと思う。

あまり詳しく書き過ぎると入門的通史という位置づけからはみ出すことにもなるだろうし、新書3冊という制限もあったろう。

専門性の高い本はどうしても細かなところを巡っての議論になるので、全体的に俯瞰できる本は貴重。

後で古代日本の動きを年表的にまとめてみたい。

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