【生徒目線のIBDP】 #0 IBDPとは? メリットとデメリットを分かりやすく紹介!
「覚えるだけの勉強だけでは卒業できない。」
これが私の経験したIBDPを表す言葉として最も相応しいと感じます。
日本の普通(一条校)の小学校/中学校を卒業し、IBDPの高校に進学した私。
直近2年間のDPでの経験を生徒目線の最新でリアルなIBDPの情報を共有します!
そもそもIB•IBDPとは? -日本の教育との違い
IB(国際バカロレア)とは、スイスの国際バカロレア機構が提供している、国際的な学習カリキュラムのことです。
日本の普通の学校が「国や県」から認可を受けるのに対して、IB校は「国際バカロレア機構」からの認可を受けています。そのため、世界の160カ国以上で同じようなカリキュラムが行われています。
その中でもIBDPとは、16-19歳を対象としたディプロマプログラムと呼ばれるカリキュラムです。他にもPYP(3-12歳)、MYP(11-16歳)、CP(16-19歳)といった3つが設けられています。もちろん、全てを受ける必要はありません。私もDPのみを受講しました。
その中でも自分が感じた3つの大きな違いを以下に記載します!
1. 自分で6教科選び、2年間勉強する
IBDPでは、6つのグループから1つずつ教科を選択します。各グループは以下の通り。
- Studies in Language and Literature(言語と文学)
- Language Acquisition(第二言語習得)
- Individuals and Societies(個人と社会) [History, Economicsなど]
- Sciences(理科) [Physics, Biologyなど]
- Mathematics(数学)
- The Arts(芸術) [Music, Filmなど]
見てわかる通り、文系/理系はありません!!
全員が第2言語を習得することが求められるともに、文系/理系どちらの教科を選択しなければいけません。
これに加え、TOK(Theory of Knowledge/知の論理)というDPにしかない教科を全員が受講する必要があります。知識について考えを深める教科であり、どのように知識が作られるのか、伝達されるのか、などの考えを深めます。
倫理に少し近い教科でしょうか。苦しむ人もかなり多いです。個人的には一番楽しい教科だったかもしれません(笑)
2. Final Examがある
日本でいう共通テストでしょうか。
IBDPの場合は全世界共通テストです。なんだかワクワクしますよね。
DP2(DP2年目)の最後の方にFinal Examを受け、評価を受けます。
3週間かけて大体各教科2〜3個のペーパーテストを実施します。
(6教科)×(最大7点)の42点+3点=45点がMaxです。
基本的には24点以上ではないと、ディプロマと呼ばれる卒業資格がもらえません。
4月入学の学校ではDP2の10月後半から11月前半のNovember Session、9月入学の学校はDP2の5月ごろのMay Sessionが適用されることが多いです。
加えて、それぞれの教科でIA(Internal Assessment/内部評価) と呼ばれる課題を2年間のうちに提出しなければなりません。(いつ提出するかは各学校や先生によって異なります。) IAの評価もディプロマを取得できるかの最終評価に影響します。各教科の評価の約15〜30%程度を占めます。
例えば、
- group4 Chemistry(化学)
自分で課題を立て、3000 words以内の研究レポート
- group1 Japanese A(日本語A)
2つの本(条件あり)とグローバルな問題を繋げて、10分間の口述
- group6 Music(音楽)
experimenting with musicというそれぞれ5分の作曲と演奏
といったもので各教科で大きく異なります。
多くの人はこの課題に時間が追いやられます!!
普段の勉強やCASをしながらIAをやり、Final Examに近い場合はその勉強も追加されます。僕も夜中までやっていた組の一人です。タイムマネジメント能力も重要です!!
3. 勉強だけでは卒業資格はもらえない
先ほど24点以上でディプロマがもらえると記載しましたが、条件は点数だけではありません。ディプロマを取得するにはCASをする必要があります。
CASとは、
Creativity(創造性):絵を描く、日記をつける、伝統工芸をするなど
Activity(活動):スポーツ、部活など
Service(奉仕):ボランティア、模擬国連への参加など
の頭文字をとったもので、すべての活動にリフレクションを書きます。
ただ、勉強するだけではなく、全人的教育を目指すIBが大事にしている一つの要素だと考えられます。社会と関わり合うことや自分が生涯を通じて続けていきたいことを表現する必要があります。
IBDPの3つの大きなメリット
ここからは自らが感じたIBDPのメリットを共有します!
1. 深く、幅広く、学問的知識を学べる
前述した通り、DP生は国際的な人材になるための基盤として、第2言語を習得することが求められています。また、言語から数学、理科、芸術と幅広い知識を習得しなければならず、日本のように文系理系と分かれることがありません。問題解決の際に偏った知識で解決を目指すのではなく、多角的な視点を持つことができるようになるのは、ものすごいメリットだと感じています。
各教科のIA(internal assessment)、EE(extended essay)では学術的な文章の作成が求められます。大学や将来で必要な力を身につけることができます。
TOK(Theory of Knowledge, 知の論理)では、ディスカッションやプレゼンテーションが定期的に求められたり、レポート/エッセイを書いたりすることも多いです。知的探究心が高い人はもちろん、現代に適した学習方法が展開されているように感じます。
2. 勉強だけでは身につかない知識が手に入る
国際バカロレア機構が唱える言葉の中の1つにに「生涯学習者」があります。生涯に渡って学び続ける姿勢を意識を持つことがIBコミュニティには求められています。
6教科から生まれる多角的な視点や、TOKでの批判的思考力、CASでの社会とのつながりなど様々な点から学ぶことの楽しさを感じることができます。IAやプレゼンテーションなどの頻繁なアウトプットから、勉強の意外な楽しさに気づくこともあるかもしれません。
私は英語で行われるIBの高校に在学していましたので、ただ教室で友達と話しているだけでも文化の違いや価値観の違いから学ぶことが多かったです。
どうしても勉強が苦手な人な絶対にいます。ただディプロマを取得することが最終目標なのではなく、自分のやりたいことを探すのが大事です。IBではCASなど、さまざまな道が提供されることも重要かと思います。
3. 大学への一歩目となる
最終試験で合格した際にもらえるディプロマは世界の大学で使用することができる世界共通資格です。
イギリスであればケンブリッジ大学や、日本でも京都大学などの数々の名門大学でも使用することができます。
先ほど少し触れましたが、EE(Extended Essay / 課題論文)もディプロマを取得するための1つの条件です。
好きな教科を一つ選び、英語では4000 words、日本語では8000文字で論文を執筆します。引用や参考文献なども正確に行う必要があり、短い卒業論文として解釈するといいかもしれません。
私の場合、Japanese Aで本の分析をし、半年以上執筆に時間を費やししました。また最終評価のボーナスポイント3ポイントにも影響します。
IBDPのデメリット
1. 言語や苦手教科の壁
現在日本ではJapaneseを除く5教科を全て英語で行う学校もあれば、Japanese, English, group3-6の1つの教科を英語で行い、他を日本語で行う、通称日本語IBという学校もあります。
ここで問題になるのが、やはり英語力です。
ここで私が経験したことを書きましょう。
英語力はそんなに高くなくてもIBに入れます!(学校の入学条件もあるが)
実際私は、海外生活ゼロ / 留学ゼロで、ただ英検2級を保持していただけです。入学当初、教科の先生とのコミュニケーションは皆無と言っていいでしょう。授業の内容なんかさっぱり理解できませんでした。
しかし、ずっと英語のみ聞いてると、嫌でも耳は慣れてきます。教科書も今は図なども多いので、翻訳アプリを使いながら、なんとなく理解できます。
労力がかかったり、ネイティブと比べたりするなど、壁はもちろんあります。しかし、DP2が終わる頃には英語の論文から情報を得ることができるようになるなど、自分の世界が広がります。
スピーキングは未だにあまりできません。でもそこまで支障はありません。
やればできる。意外とそんなんもんです。
2. 時間とお金が必要
一言で言いましょう。
疲れます。
通常の授業の予習、復習、IA、EE、CAS、定期試験の勉強、Final Examの勉強、大学の志望理由書、面接練習。。。
やることはDP2になるにつれて、どんどん増えていきます。そして一つ一つの重要度が高いものがDP2には詰まっています。
DP2の4月から先週までのFinal Examが終わるまで、こんなこと書いている暇はありませんでした。日本の共通テストを受験する人は、まだ勉強は続いています。
IBの10の学習者像の中にrisk-taker(挑戦する人)やbalanced(バランスの取れた人)とあります。チャレンジングなカリキュラムではありますが、自分の体調と勉強と将来を考えるといった、バランスが大事なような気がします。
金額面で言えば、公立、私立ともに通常の日本の教育より高くなります。これはIBの教育費や教科書代、Final Examの受験料の影響です。様々な高校を見てみると約20万ほど高いような感じがします。
3. 学習リソースが少ない
皆さんは本屋に行ってIBDPの攻略本!といったものを見たことがあるでしょうか。おそらくないでしょう。
大体需要が少ないものは売っている訳ないんです。
私の経験から言うと、クラスメイトも含め、
youtube、Webサイト、IB専用塾
の3つから勉強をしていたと思います。(ただしIB専用塾は非常に高いです。)
多くの教科で自分で何かを作り出す課題(レポート、口述など)がほとんどを占めるため、そもそも一つの答えがない。
友達や先生に聞きながらも、自分を信じて課題に取り組むのが基本でしょうか。
まとめ
IB、そしてIBDPの基本的な内容は理解できたでしょうか。
「覚えるだけの勉強だけでは卒業できない。」
この言葉に尽きると思います。
日本の学生に【生徒目線の最新でリアルなIBの情報】を伝達することで日本の教育を良くしたい。IB communityの一員として、caringの精神で様々な情報を少しずつ共有します!
最後まで読んでくださりありがとうございました。
ご質問やご要望は slope.ib25@gmail.com までお願いいたします。
