=LOVEは縦アイドルか横アイドルか
はじめに
あなたは「縦アイドル」という言葉を聞いたことがあるだろうか。恐らく聞いたことがないだろう。何故なら私が好きなPodcastかつYouTubeチャンネル「斜め270度考察」で使われている言葉だからである。
縦アイドルとは、TikTokやYouTube Shortsといった縦動画プラットフォームを主戦場にし、バズることを軸に活動するアイドルのことだ。
一方、ここで言う横アイドルとは縦アイドルとは反対にCD・ライブ・テレビ・映画など幅広い分野で活動する、いわゆる王道アイドルのことと定義する。
この疑問が頭に浮かんだのは、横アイドルファンである「斜め270度考察」において、=LOVEがライバル視されていたからである。これの何が問題何かを説明していこう。
筆者は乃木坂ファンで坂道アイドル好きである。なのでSNSなどで坂道アイドルファンの動向を見ていると、横アイドルとは一定の棲み分けがされていて縦アイドルvs横アイドル的なライバル視はそこまでされていないように感じる。しかし、坂道アイドルファンに代表される横アイドルファンは=LOVEをライバル視しているのだ。
つまり、棲み分けがなされていたはずの横アイドルファンと、縦アイドルファン、その両方から=LOVEがライバル視されているのだ。
では、なぜ=LOVEだけが両陣営から警戒されるのか。この問いが、今回の考察のスタートである。
縦・横アイドルの判定軸
議論を始める前に、縦・横アイドルの定義を明確にしておきたい。

筆者が考える縦アイドルと横アイドルの判定軸は以上のように設定した。
縦アイドルとして見た=LOVE
まず、=LOVEを縦アイドルとして見たときの根拠を整理する。
楽曲の世界観とTikTokでの圧倒的なバズ
「とくべチュ、して」「恋愛逃走中」など近年の楽曲は、語呂の良さと可愛らしい雰囲気を全面に押し出した作りになっている。縦動画で映えるビジュアルと耳に残るサウンドの組み合わせは、TikTokとの親和性が非常に高い。
女性ファンの比率
女性ファンの比率が多く、日経エンタテインメント!2025年10月号掲載の3万人サンプル調査では、 女性ファン比率ランキング として=LOVEは61%という結果が算出された。これは、 FRUITS ZIPPER 51.7% CUTIE STREET 50.8%よりも女性ファンの比率が高い事を示し、 櫻坂46 24.0% 乃木坂46 16.9% 日向坂46 10.9%と比べても、ファン層に関しては縦アイドル寄りである事を示している。
横アイドルとして見た=LOVE
一方で、=LOVEを横アイドルとして見る根拠も存在する。
歌詞が深く評価された楽曲の存在
「絶対アイドル辞めないで」はTikTokでバズった楽曲でもあるが、その本質は歌詞にある。アイドルでいることへの葛藤や覚悟を真っ正面から描いたこの楽曲は、坂道系ファンが評価するような「歌詞を読み込む」文化と親和性が高い。実際にアイドルの楽曲をテーマにしたTV番組では乃木坂46の一ノ瀬が「絶対アイドル辞めないで」を推薦するなど、バズに特化しているのとは異なる横アイドルとの親和性も持っている。
名前で売れる個人力
多くのアイドルグループではメンバーカラーが設定されているが、=LOVEにはその文化がない。ファンはメンバーを「推しの色」ではなく「名前と顔」で識別する。そして、佐々木舞香はTBSドラマ「キャスター」への出演を果たし、俳優としての顔を持つ。これは「グループの顔としてのアイドル」ではなく、「個人の実力で仕事を取るタレント」としての側面であり、王道アイドルの文脈に近い。
これらを踏まえた仮説と検証
これらの内容を踏まえた私の仮説として、元々=LOVEは横アイドル的な売り出しをしていたが、近年の縦アイドルブームに上手くシフトチェンジして、人気に拍車が掛かっているのではないかとの仮説を立てた。
大人気になる前の=LOVE
以上の仮説を立証するには、元々は男性ファン多めだったのが、近年になって女性ファン多めになった事を示す必要があると考えたため、インターネット上にあるデータから検証した。
=LOVEは元々女性ファンが多かった

検証の結果仮説とは全く違った結果が得られた。上の画像はアイドル別の検索者の性別比較だが、元から女性ファンが多い事が分かる。
また、その頃の公式からもファンクラブ会員の男女比は女性7:男性3と公表していることや、当時のライブレポを読んでも女性ファンの割合の高さが指摘されていた。
このことから、横アイドル(男性ファン多め)→縦アイドル(女性ファン多め)という仮説は間違っているという事が分かった。
女性ファンをターゲットにした指原Pの戦略
上の記事は大バズリする前の2023年に書かれた記事だが、この女性ファンの割合の高さは偶然ではなく、様々な理由によって生み出されたものであると分かる。
指原莉乃は4thシングル「Want you! Want you!」でK-POPの要素と可愛い映像・衣装を取り入れたことで女性ファンが急増したと語っている。そして、男性視点が多かった歌詞を女性視点にしたことなど様々な工夫があった事がわかる。つまり、縦アイドル的なファン構造はTikTokが生み出したものではなく、グループ設計の段階から意図されていた可能性が高い。
まとめ
結論として=LOVEが縦横どちらのアイドルにも含まれるのは、他にはない楽曲のコンセプトやグループ当初からの若年女性ファンとtiktokの相性の良さによるものである。
そして、近年の人気の加速は間違いなく若年女性ファンによるバズであり、数年前からこの層をターゲットにした指原Pのマーケット眼は素晴らしいと感じた。
国立競技場でのライブを控える彼女たちの今後の活躍にも目が離せない。
