タイトルかっこいい
同心が現場を囲むサスペンスフルな始まり、最後は怖い。
近松門左衛門の原作とは中身が違う。
登場人物と舞台を借りて、まさに五社英雄に撮って欲しかった姿に仕上がっている。
世界観や様式美が期待されるという点ではゴッドファーザーシリーズに近いと思う。
全く自分とは違う感性が描き上げる情念の演出に魅入った。
「いやや」とか「ええかげんにしなはれ」とか「亭主のこと考えてみたらどうや」とか「やきもち焼いてはるの」とかのムードに飲まれる。
若い与兵衛と小菊の向こう見ずで奔放な振る舞いに、与兵衛の乳母である面倒見の良い人妻お吉は手を焼いていた。
そこまではおそらく原作に近い。
そこから少しずつ変容していく物語。
登場人物が少なくわかりやすい。
堤真一演じる与兵衛には若い男の生々しい性、臭いが感じられ、藤谷美和子演じる小菊には若い女の容赦ないキツさがある。
お吉の変容スイッチが2箇所あったように思う。
ヤンキーと化した小菊に足を踏まれて何もできず屈辱を感じるも、それが与兵衛への欲情を引き出した時。
目が覚めて自分の元を去ろうとする与兵衛に「このど腐れアマ」と言われた時。
この遺作が一番いい。
2013-1-11
女殺油地獄/五社英雄
Onna Goroshi Abura No Jigoku
1992
Director : Hideo Gosha
Writers : Monzaemon Chikamatsu, Masato Ide
Composer : Masaru Satô
Cinematographer : Fujio Morita
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