見出し画像

トイレットペーパードライバー、毎週ショートショートnote、410字


困った。
学校でトイレに行きたくなったが、男で個室に入るのは少し勇気が必要だった。

僕は、誰にも会わないように旧校舎のトイレへと向かう。それも、3階。
用を足して出ようとすると、ドアノブが壊れていた。捻ることはできるのにロックが解除されない。

僕はトイレットペーパーを濡らしてマイナスドライバーの形状にする。このままではもちろん役に立たない。
3日経過して、ようやくカチコチに乾燥した。
それを隙間に入れるとスーッとドアが開く。

助かった…と思った瞬間、目の前にあるのは別の個室だと分かった。天を仰いだ。すると、個室の壁は単なるパーティションであり、壁と天井の間が大きく開いているのに気づく。

よじ登って、パーティションの上に立つ。
巨大迷路のように個室がつながっていた。
迷路の奥に、灯りが見えた。

パーティションの上を歩いてたどり着いたそこは、パーティションが取り払われた広い区画だった。

トイレットペーパーで工具や家具を作る先住民がいた。


ーーー
※先住民🟰昔、この世界に迷い込んだ先輩

いいなと思ったら応援しよう!