世界一しょぼいタイムスリップ、毎週ショートショートnote、410字
俺はやらかしてしまった。
でも、絶望ではない。
俺は、子犬を助けたときに、神から褒美だと言ってタイムスリップの能力を与えられていたのだ。
やり直そう。やり直せるはずだ。やり直せるのか?
俺のタイムスリップ能力はしょぼくて、俺の体力では、ほんのちょっと過去に戻れるだけだった。
1秒過去へ遡るために1メートル走らなければならない。1時間なら……。
確かに、タイムスリップはジャンプをするようなものだ。だからと言って助走が必要なんて。
俺はひたすら走り、目の前のステータスパネルに表示される距離を見る。
そして、ついに―
タイムスリップした直後、俺の身体はそのまま助走の勢いを保ったまま、交差点に飛び出した。
トラックに撥ね飛ばされた。
と思ったが。
次の瞬間、俺は異世界にいた。
「異世界転生……?」
まさか。神が俺に与えた救済が、これなのか?
騎士たちは無言で俺を睨みつけ、次の瞬間、一斉に斬りかかってきた。もはや、体を動かす体力が残っていなかった。
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