月夜の寝ぐせ、毎週ショートショートnote、410字
疲れきったアンは、古い扉の前で、寝袋に潜り目を閉じた。
楽園にたどり着けるという伝説の扉。
街から何日も歩き続けて、ついにこの扉にたどり着いた。
扉の隣には、無理やりこじ開けようとした形跡と、殴られたような凹凸があった。
寒さに目を覚ました月夜、髪が妙な方向に引っ張られている感覚。アンは手で髪を撫でたが、髪は硬く、その奇妙な形がどうにも直らない。
扉の横にある凸凹をぼんやりと眺めた後、彼女はまさかと思いながら、頭を凸凹に合わせてみた。
扉がゆっくり開いた。目の前の文字板を読む。
「君が今までいたのは核シェルター都市だ。太陽も月も星もすべて偽物。外の世界が放射能汚染から回復するまでの避難所だ。長い年月が経ち、環境が安定した時、この扉は開かれる。さあ、元の世界に戻るのだ」
目の前には廃墟が広がっていて、荒れ果てた大地には、かつて文明が存在していた痕跡だけが残っていた。
アンは踵を返した。偽りの月の下に戻る方がまだ救われる気がした。
(410字)
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月夜に目を覚ましたシーンで、月が美しいと思うシーンを作りたかったけど、410字にするために、泣く泣くカット。
寝ぐせのイメージとしては、こんな感じですね。
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