梅雨占い、毎週ショートショートnote、410文字
梅雨は、日本の神が人の運勢を占う期間だった。神にとっては占いでも、人間にとっては、雨を使った試験のようなものだった。
傘を持たない老人に傘を差し出した者。
長雨に文句を言わず、紫陽花を見て微笑んだ者。
農家が助かるだろうと思う者。
ダムに水がたまることを喜ぶ者
合格。
その他の者は不合格。
合格者には一年分の幸せを与えていた。
梅雨の真っ只中、神は眉をひそめ、遠い昔の記録を引っ張り出した。
年々、減少する合格率。
ほとんどの人間が不合格であるため、神はその人たちに幸せを与えられない。
一方で、詐欺被害増加。強盗増加。交通トラブル増加。不幸なものが悪事に手を染める。
満点だった男は詐欺師に騙され、財産を失い、友人に裏切られ、それでも相手を恨まなかった。
「こんな人間ばかりになったら人類は滅ぶ」
神は梅雨占いを見直した。
その年、日本では「なんとなく運が良かった」と答える人が急増した。
善人以外は、悪人〜ではなく、神は多様性の考えを取り入れた。
