【M&Aの論点】コングロマリット・ディスカウントとは?
どうもMAFIAcapitalです!今日は時計を買いました!月曜から楽しみやなあ。そして子供には得意のLEGOを買ってあげてまたも1時間ちょっとで7800円の作品を作り上げてしまいました。親としては高いの買ったんだからもっと苦戦してほしい、、、笑
今回はコングロマリット・ディスカウントについて述べます。
コングロマリット・ディスカウントとは、事業を多角化した企業の価値が、事業単体の価値合計よりも低く評価される状態のことですね。
要は、M&Aで企業買収しまくって大きくなったけど、逆に企業価値が下がる!ってやつですね(切ない、、、)。
例えばだが、4事業やっている多角化企業があって合計のEBITDAが300、事業価値が2,000とするとEBITDA倍率は6.7倍になるが、上場している4事業の持株会社のEBITDA倍率は5.5倍、事業価値が1,700となることがあります。
下がってますね。
≪なぜディスカウントが起こるのか?≫
①情報不足、IR不足
・上場会社は、財務状況をセグメント情報として各事業ごとに開示しているとはいえその情報はかなり限定されます。その中で投資家の印象が売上が大きな事業に印象が引きずられて、利益の実際に出している事業が埋もれてしまいます。
②エージェンシーコスト
・多角化企業には利益の次に本社経費欄があり、本社はコストセンターなのでマイナス数字になります。問題はこのコストが必要十分か?であります。
このコストは単に本部に人がたくさんいて経費がかかるという意味だけではなく、株主から資金を預かって企業価値を高める役割を担う経営者は株主というオーナーから経営を委託された代理人、株主の利益のために行動すべき存在です。その経営者が自分自身の利益を優先して、必ずしも株主利益にとってベストといえない判断や行動をとり、結果的に株主価値を減らしてしまう、そういうコストの問題のことです。
・多角化企業は、1つの持株会社の傘下に事業会社をぶら下げることの合理性の説明責任が面倒な組織形態です。きちんとセグメント情報を開示するのみならず、グループ一体であることがもたらすプラス効果、例えばブランド力向上や間接部門経費の一元化による効率化等詳細に投資家に伝えるIR活動を行わなければなりません。
・事業によっては、グループに留まって予算の締め付けを受けながら孤児扱いされるよりも、グループから独立してしがらみから解放され、経営の自由度が高まる方が業績がよくなることが考えられます。
・PEファンドは橋渡し役として、多角化企業の中に埋もれている潜在価値のある事業を見つけ出し、リスクを取って投資を行い、新たな価値創造を目指す行動をしています。
≪敵対的買収は悪なのか?≫
・日本は過去にメガバンクの統合、鉄鋼業界再編、百貨店やガソリンスタンド、小売業界等同業同士の統合が起こっています。
・これはいわゆる水平統合といわれ、このパターンは強者が弱者を力ずくでねじ伏せる構図も生まれやすく、例えば王子製紙と北越製紙、イオンとパルコです。今回は王子製紙による北越製紙の敵対的買収について述べます。
(王子製紙により北越製紙への敵対的買収)
・2006年7月、王子製紙が北越製紙の100%買収の経営統合を提示
・北越製紙経営陣は、それに反発。買収防衛策として三菱商事との資本提携、同社への発行済み株式24.4%の第三者割当増資を発表
・これに対して王子製紙は、北越製紙の賛同を得ないまま、1株当り800円のTOBを発表。さらに三菱商事が増資撤回するなら860円にするとした。
・王子製紙が北越製紙と経営統合して業界ナンバーワンの座を固めるのを危惧した業界第2位の日本製紙グループや第3位の大王製紙も防衛に参戦。
・結果、過半数買収が難しいと判断し、敵対的買収を断念した。
(なぜ買おうとしたのか?)
・北越製紙の株価最安値580円が王子製紙が「安い」と判断したと想定できます。
・TOBは通常20~30%程度のプレミアムなので、800円は十分高いプレミアムと思われます。
・業界1位~6位までPBRが0.8~1.3倍と低いです。つまり超過収益力を獲得できず、適当競争で体力疲弊している業界だと考えられます。国内で足の引っ張り合いでなくグローバル競争しなければ、という王子製紙の買収意図が見えてきます。
・831円というTOB価格の中間値は、PBR換算で1.2倍、EBITDA倍率8.5倍であり、王子製紙自身の倍率数値の範囲内に収まっています。
・以上からわかるのは、株価水準が倍率指標の観点から割安といえない場合でも、プレミアムを乗せた価格での買収が十分に起こりうるということです。なので、数字だけみれば本件買収は一定の説得力があると考えます。
≪最後に≫
・敵対的買収はPBRの低い日本企業に対して海外から行われることも多くあります。敵対的買収というと一見聞こえは悪い気もしますが、企業価値向上をさぼっている日本の経営陣にも問題はあり、必ずしも悪とは言えません。
・会社四季報で企業価値算定の物差しは手に入りますし、PEファンドが世間を騒がせるニュースを読み解くこともできます。
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