黄金の宇宙 設計観測ログ #003
誠〜sei〜と作品を混ぜない理由
前回の観測ログでは、
黄金の宇宙では、
作品は価値を運ぶ媒体なのではないか。
という仮説を書きました。
生命が呼吸すると作品が生まれ、
作品が誰かの生命を動かし、
また新しい作品が生まれていく。
もし、この循環が本当に存在するなら、
社会は「作品」によって豊かになっていくのかもしれません。
しかし、設計を続ける中で、
一つだけどうしても説明できない現象がありました。
なぜ、人は作品をもっと良くしたいだけなのに、
創造が止まってしまうことがあるのだろう。
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私は以前、
贈与循環型経済システムを設計していました。
そのときも、
自然界を何度も観測しました。
水は循環します。
炭素も循環します。
酸素も循環します。
自然界では、
循環することが特別なのではありません。
循環することが、自然なのです。
では、
なぜ人間社会だけ、
循環が止まるのでしょうか。
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観測を続けているうちに、
一つの仮説が見えてきました。
それは、
本来分かれている役割を、人間は混ぜてしまう。
ということです。
例えば、
お金と成長。
お金は交換の仕組みです。
一方、成長は生命の営みです。
本来は別の役割です。
しかし私たちは、
お金で人の価値を測ったり、
成長を収入で判断したりします。
役割が混ざると、
循環は少しずつ歪み始めます。
だから私は、
交換の仕組みと、
生命の成長を分離した
贈与循環型経済システム
という設計を考えてきました。
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そして今、
シルバードラゴンギルド🐲を設計していて、
まったく同じ構造を観測しています。
今度は、
人と作品です。
例えば、
誰かが作品について、
こんな提案をしたとします。
「ここを、もう少し良くできるかもしれない。」
本来なら、
作品をより美しくするための対話です。
ところが、
人と作品が混ざると、
こう聞こえてしまいます。
「あなたは間違っている。」
「あなたを否定された。」
すると、
作品への対話は止まり、
人を守る対話へ変わってしまいます。
創造は、
そこで止まります。
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逆のことも起こります。
相手を傷つけたくない。
だから、
本当はもっと良くできると思っていても、
何も言えなくなる。
結果として、
作品は成長する機会を失います。
優しさが、
創造を止めてしまうこともあります。
これは、
誰かが悪いわけではありません。
**人と作品という、
本来別のものが混線している。**
私は、そのように観測しています。
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だから、
シルバードラゴンギルド🐲では、
この二つを分けて考えます。
人には、
その人だけの人生があります。
その人生は、
誰にも代わることができません。
だから、
私たちは人を尊重します。
人生そのものに敬意を払います。
一方、
作品には人生がありません。
だからこそ、
作品は、
もっと美しくなれます。
もっと伝わる形になれます。
もっと多くの人へ届く可能性があります。
作品に必要なのは、
遠慮ではありません。
愛です。
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ここでいう愛とは、
甘やかすことではありません。
作品が本来持っている可能性を信じ、
もっと美しくなれると信じ続けることです。
だから黄金の宇宙では、
議論に勝つことは目的ではありません。
作者を評価することも目的ではありません。
主役は、
いつも作品です。
作品が少しでも良くなるなら、
新しい視点を歓迎します。
新しい構造を歓迎します。
昨日までの設計を手放すことも歓迎します。
作者が正しいことよりも、
作品が美しくなること。
黄金の宇宙では、
その一点だけが目的になります。
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ここまで観測してきて、
私は一つのことを感じています。
創造を止めているのは、
能力不足ではないのかもしれません。
技術不足でもありません。
循環を止めているのは、
混線です。
人と作品。
交換と成長。
役割を混ぜてしまうことで、
本来流れるはずだった生命の流れが、
少しずつ滞ってしまう。
もし、この仮説が正しいなら、
私たちが設計すべきなのは、
循環そのものではありません。
循環を止めている混線を、
一つずつほどいていくことです。
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黄金の宇宙は、
作品を作る場所ではありません。
作品が自然に育ち続ける環境を設計する宇宙です。
そのためには、
人を大切にすることと、
作品を愛することを、
混ぜない。
この小さな違いが、
創造の循環を支える設計原理なのかもしれません。
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次回予告
黄金の宇宙 設計観測ログ #004
「作品本位制度という仮説」
金本位制。
石油を基盤とした経済。
そして、その先にあるかもしれない新しい価値の循環。
もし作品が社会の価値を運ぶ媒体になるとしたら、
どのような経済や共同体が生まれるのでしょうか。
次回は、その仮説を観測していきます。
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