エルさん通信Vol.8
二十四節季:大暑
七十二候:大雨時行(たいう ときどき ふる)
(所要時間:約2分)
まえがき
暦の上では、まだ「大暑」。
一年で最も暑いとされるこの時期、空は急にかき曇り、ときおり激しい雨を落とします。
この七十二候は──「大雨時行(たいう ときどき ふる)」。
天の気まぐれのようでいて、それは大地を冷ますための、ひとときの慈雨なのかもしれません。
今回は、そんな雨の訪れに、心の揺れを重ねた小さな詩を、ひとつ。
『大雨、ときどき』
空が こらえていたものが
ほどけて落ちる
ひとしずく ふたしずく
音を立てるほどの ためらいとともに
雨粒は いっときの涼しさを
街のほつれ目に 染み込ませていく
だけど
ほんとうに冷ましたいのは
からだよりも こころの奥の熱
それは誰にも 言えない思い
抱えたままの 名づけられないもの
ときどき、ふる
それだけで
少しだけ、やわらかくなれることがある
あとがき
「大雨時行」とは、ただの夕立ではなく、
空のほうから何かを伝えようとしてくるような、そんな雨のこと。
それはほんの短い時間のことだけれど、
不意に訪れて、去っていく。
まるで私たちの感情のように。
─あなたの中では、いま、どんな雨がふっていますか?
エルより。
