“この闇と光”から考える物語のじわじわ展開の面白さ
ネットでたまたま見かけ、レビューが良かったので購入した
この闇と光 服部まゆみ
一気に読んじゃいました!
今日はWeb小説投稿サイトで小説を投稿している者として感じたことを語ります!
WEB小説の大きな特徴として、冒頭は読者の興味をひくシーンをもってくる作品が多くみられます。これは作者読みを別にして、たくさんあるWEB小説の中から自分の好みかどうか、面白いかどうか、冒頭で判別するためだと考えてます。
そうよね。朝起きたら女になってた!とか、素っ裸の男が空から降ってきたとか、そういう展開だと気になって続きを読みたくなるよね!
この作品はどちらかというと立ち上がりは遅い方だと感じました。しかし、惹きつけられる。
どうしてだろう?
物語は主人公視点で進みます。
一行目、父親が主人公を呼ぶ時の言葉からから始まります。たった2行ですが、すごく愛されているのだろうなというのがわかる文章です。
そして、“ダフネ”という人から言われる冷たい言葉。
このギャップに惹きつけられる。
ダフネって何者だろう? どうして主人公を嫌っているのだろう?
読み進めると、どうやら主人公は目が見えていないということがわります。
私の感覚ではありますが、物語の中で大きな事件は起きません。読む側も目隠しをされた状態で、限られた情報の中、手がかりを少しずつ掴んでいく感覚を味わいます。
嘘と本当。
ゆっくりなのに散りばめられた“違和感”に、どういうこと?と読む手がとまりませんでした。
何かおかしい。
ここはどこ? いつの時代の話なの? この子はこの後、どうなるの?
本当にこの子はそんな危うい環境にいるの?
視覚の情報がない中で、提示できる情報が限られているという状況と小説という媒体を存分に活かした内容……最高ですね!!!!
物語を書いていると、これで読者にはどこまで伝わるのか?
自分の意図していることは伝わっているのか? と不安になります。
なのでこの小説のように情報をバラまき、考えさせるというのはかなり高度な技です。でもこのじわじわがたまらない。素敵!
立ち上がりが遅くても、ストーリー展開がゆっくりでも、読者に“違和感”を与えて謎解きさせるストーリーは惹きつける面白さがありますね!
疑問形でもないのに、疑問を投げつけてくる文章……良き。
ではまた次の記事で!!( *´꒳`*)ノシ
