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60歳からの母との20年

私の母は現在84歳。とても元気です。60代の時よりもずっと元気。

60歳過ぎて病気を発症するまで、とにかく健康の塊みたいな人で、私が子供時代から寝込んだのが1.2回位。
とてもアクティブで、自転車で遠くまで買い物に出かけ、(当時は電動ではなかった)様々な趣味のお友達とのお付き合いに参加し、とても明るく社交的な人でした。
更年期も全くなく、60歳まで本当に元気いっぱい、活動的でした。

仕事は、昭和の当時としては珍しく出産でも仕事を離れることなく1人目は産休後復職し、2人目が産まれてからも仕事を続け、転居を機に離職しました。
転居後からは3年位は専業主婦でしたが、その後パートを始めてで60歳まではお仕事をしていました。

両親共に実家が遠く、2人の子供の子育てに仕事にと大変だったと思いますが、父が今で言うイクメンだったので、とても育児に協力的で助かったと言っていました。子供が大好きな父は、定年後は孫育てにも献身的に参加し、それはそれは熱心でしたが、母は「もう子育ては良いわ」と、孫との時間より自分の趣味の時間を楽しんで過ごしていました。



62歳を過ぎた頃、お友達と出かけた先で転倒し膝を痛めました。この事がきっかけとなり、膝が痛い、足が痺れると言い出し、原因探しの病院巡りが始まりました。
またこの頃、メニエールで倒れたり、身体に様々な変化が起きていました。
病院に行って検査をしても問題はなく、しかし、本人としてはこの痺れは何だ?となり、段々と塞ぎ込み、うつ病も発症しました。

心療内科にかかりましたが、
これから10年位は大変でした。
私自身も仕事をしながら通院の付き添いや実家通いをしました。

「1人にしないで」と泣くので、父がスーパーへも買い物にも行けない状況にもなり、育児中の姉とも協力して何とかみんなで支えました。
初めは家族だけで試行錯誤しましたが、父も孫にも会えず趣味でも外出出来ずにストレスがたまっていたのでしょう、円形脱毛を発症してしまいました。
このままでは父も病気になってしまうと思い、私が地域包括支援センターに相談に行きました。
福祉のプロに相談出来て安心もしたのとで、私も話をしながら気づいたら涙がこぼれていました。

当時私も30代で、親のことで同じような立場の友人がおらず、どこに相談して良いのか分からずにいて、色々調べていく中で介護保険を使って支援を受けることが出来るのだと知ったのです。

要支援2に認定され、介護保険を使って浴室に手すりをつけたり、自宅でのリハビリが始まりました。

はじめは自宅に作業療法士さんがいらしての支援が始まり何年か続いた後に、その方が故郷へ戻るのを機に通所のリハビリを勧められ、週に2回の通所施設へ変更に。

初めは行きたがりませんでしたが、元々社交的な人でしたから、家族以外にも沢山の人と関わるほうがきっと良くなると思い、何とか説得。
身体は大きな改善はありませんでしたが、心は少しずつ明るさを取り戻し、気持ちの波もなくなり、その後、要支援1になり、今は支援は受けていません。

現在は数年前に出来た施設に変更し(介護保険は使っていないので自費で通院)週に1回、楽しそうに通所施設でリハビリに励んでいます。
ここはとにかくしっかりトレーニングしてくれるようで身体を動かしたい母には嬉しいようで、お友達も出来て、とても楽しそうです。


病気を発症してから20年、本当に色々な事がありました。



泣く母を抱きしめたり、慰めたり、手を握り励ましたり、ただ近くで見守ったり。
一緒にリハビリがてら沢山歩きました。
小さな目標を作り、それが達成出来た時には一緒に喜び、褒めまくり、少しずつ自信をつけていく(自信を取り戻すかな)母を見るのが嬉しかった。
母の笑顔が私の元気の源でもありました。

ずっと強くたくましく、私の憧れでもあった母。

そんな母に「生きているのが辛い」と泣かれた時には母を抱きしめながら、これからは私が母を守っていかなければいけないと強く思いました。
気持ちが不安定になること、身体の痛みや痺れなど、どうしたら良くなるか、色々試していく中で、時に嫌われたこともありました。
「もう来ないで」と言った母の怖い顔を今でも時々思い出します。

外出先で仲良し親子を見かけると、羨ましくて、もう元気な母を見れないのか、私はもう母とランチしたり買い物したりなんて出来ないのだなと思い辛くなった時期もありましたが、母が80歳を過ぎた今ではその頃の願いは叶いました。

今の母は歳を重ね、発症前の母より強く、よりしなやかになった気がします。
自分なりに病気との向き合い方もわかり、メニエールなども繰り返さなくなりましたし、
今も足を引きずり、速度もゆっくりですが、毎日欠かさずウォーキングもして筋力アップにと励んでいます。
通院で電動自転車をこいで出かけたり、私よりウォーキングで距離を歩いていることもあり驚かされる事もあります。

そして、家族もまた成長出来ました。
今は私が子供時代から見ていた強い母だけではなく、様々な母の姿も見てきて、どんな母も愛おしく感じています。
父も母の病気をきっかけに、料理も出来るようになり、今は全ての家事を分担したり、一緒にしたりと二人で協力しあっています。

母との時間で実感したこと。

病気や事故で失うものも沢山あるけれど、得るものも沢山ある。
いくつになっても人は成長出来るし、より優しく強くなれる。

母の笑顔や涙が私に教えてくれたこと。ずっと大切にしていきたい事です。

こうしてnoteに書くことで、昔の事を沢山思い出したので、機会があればまた書き残したいです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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