大根こそが、日本人が好きな野菜No.1である事を力説する。
日本人が1番好きな野菜はなんだろう?誰もが一度は考えたくなるテーマだ。
「え…それはもちろんタマネギでしょ?だって色んな料理で使ってるし」
成程。毎日料理をする妻の意見は説得力がある。
「普通にトマトじゃないかな?だってスーパーに色んな種類が売ってるし…」
そう話す娘の意見も、もっともだ。
「ネットで見たらジャガイモが出荷量トップって載ってるよ?アレ、でもジャガイモって野菜かな…」
確かにジャガイモは野菜ではあるが、「好きな野菜」とは言い難い。
「やっぱりキャベツじゃないかな…お好み焼きとか、結構色々使うし…」
やはり妻の言う、タマネギ・キャベツあたりが順当なのだろうが、私の意見は全く異なる。
「日本人が一番好きなのは、大根だよ」
▪️煮ても良し、焼いても良し。生でも良し。
大根と聞いてまず思い浮かべるのは、差し詰めおでんや、ブリ大根と言った所だろうか。確かに、人気No.1というには地味な印象は拭えない。しかし美味しい大根料理は煮物だけではない。大根ステーキの様に焼いても美味いし、炒めても当然良し。フライド大根なんてレシピもあるので、揚げものだって全然いける。なますの様な酢漬けもあるし、大根サラダは居酒屋でも定番だ。大根おろしは、焼き魚や鍋物だけでなく、ハンバーグ等の洋食にも使われる。これだけ多様な調理法で食される野菜が、他にあるだろうか?
▪️脇役かも知れないが、出番は多いよ。
いや、それでも大根なんて所詮脇役と思う人は、スーパーで漬物売り場を見るといい。大根は、料理の材料だけでなく、漬物という加工食品としても愛されている。定番のたくあん、糠漬け、福神漬けはもちろんの事、最近はパリパリ大根やいぶりがっこの様なおつまみ系の人気も高い。その他にも日本全国各地域には、数えきれないほどの『大根の漬物』が存在する。そういえば、くら寿司のガリも最近『大根ガリ』になってたな… あと忘れてはならないのが切り干し大根で、これも地味に汎用性が高い。そしてこれらに共通するのは、昔から続く『伝統』だ。大根は、古くから日本人にとって身近な野菜だ。
▪️人気野菜のほとんどは、所詮はポッと出
我々が当たり前の様に食している野菜のほとんどは、明治以降に海外から流入したものだ。キャベツも、タマネギも、トマトも江戸時代にはほとんど食されていなかった。しかし大根は違う。大根は「米」と「豆腐」と並び称される『江戸三白《えどさんぱく》』の一つであり、当時から万能食材として頻繁に食べられていた。大根だけのレシピ本まで刊行されたというのだから、その人気ぶりが伺える。茄子や牛蒡や蓮根など、その他にも古くから食されている野菜はあるが、現代に至るまでここまでマルチに、かつ一線で活躍し続けている野菜は他に無い。我々日本人は、DNAレベルで大根を愛しているのだ…
*
「え?別に俺、大根とか好きじゃないんだけど…」
「ていうかそれ、単にパパが好きなだけでしょ?」
まあ、確かにその通りかもしれない。能書き云々以前に、私は大根という野菜が純粋に好きなのだ。だからこそ、余計にその有能ぶりが目につくのだろう。
「いや、そういうパパ自身も本当に大根好きかどうか怪しいな〜」
それは流石に言い過ぎだろう。自分の好みくらいは自分で決めさせて欲しい。
「いつも残してるよね?大根のツマ。刺身の下の…」
「……」
ああ、確かにその通りだ。
だからこそ、大根は唯一無二だと言っている。
『食べない前提』の野菜など、他にない。
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