ポイズン。
1998年にドラマ「GTO」が放送された。 後にも先にも、あれほど夢中になったドラマはない。
とくに第一話。 不良をゴミ呼ばわりする内山田校長に、鬼塚が回し蹴りを食らわせて、見栄をきったあの瞬間。 セリフは正確には思い出せないけど── たしか「こいつらの一年間を、おっさんの一年間と同じだと思うな」 ついでに「いい大学入るより、いいダチ公見つけるほうがよっぽど財産になる」 そんな感じだった。
この言葉は、大人になるほど刺さる。 だからこそ思う。鬼塚が本当に時間の貴重さを伝えるべきだったのは、校長じゃなくて不良の方だ。 未来を守るんじゃなくて、未来の重さを“叩き込む”。 一時の感情で学校に乗り込んだり、衝動で人生を曲げたりするな──その線を引くのが教師の役目だ。
内山田校長の言動は、この際どうでもいい。 中年以降は、どうしても残された時間を意識する。 家族を守ろうとして保守に走るのは、もう仕方がない。
そして、中年になったらわかる。 学生時代に優秀だった生徒が、社会に出てからも優秀とは限らない。 逆に、不良が必ずしも落ちこぼれるわけじゃない。 将来を決めるのは、どんな時間を積み重ねるかだ。
時間は戻せない。 もし、あの時、鬼塚が不良に回し蹴りを食らわせていたら── 「今を守る」じゃなくて「未来を叩き込む」教師になっていたのかもしれない。
そして今年、GTOがまた帰ってくる。 反町隆史の鬼塚が、令和の高校に殴り込む。 あの頃の一年の“甘酸っぱさ”が、もう一度、画面の向こうからふっと漂ってくる。 楽しみだ。
