【新人教育】なぁ!必殺技教えてくれよ!
なぁ! 必殺技教えてくれよ!
昔の漫画で出てきたセリフ。
好きやから、こんなんよく覚えてます。
強い主人公が、連戦連勝を繰り返し、
どうしても倒せない相手、大きな壁にぶち当たったとき。
後の師匠となる存在が現れる。
「お前、そんなに弱いのに満足なのか?」
「な、なにをーっ!」
言い返す主人公を、軽く赤子のようにあしらう。
「う、うわぁーー!」
実力の無さを思い知らされる瞬間だ。
これがきっかけで、修行をつけてもらう事になる。
「絶対に強くなって、あいつを倒してやる!」
ここで、あのセリフがやってくる。
「なぁ! 早く必殺技教えてくれよ!」
ここ! ここ! こぉーこ!!
仕事で言うところの、
「営業で絶対に客の心を掴む言い回し」
「初心者が一週間で上級者に!」
みたいなんが、キャッチフレーズのやつ。
これ、必殺技っすよね。
これを教えてもらって習得することで、
最強になれるってやつ。
これなんすよ!!
「ほっほー! お前にはまだ早すぎる」
もちろん師匠は、こう返す。
漫画やと、修行時代がすごくコミカルに楽しく描かれていたり、
めっちゃかるーーーく、
「厳しい修行は3年も続いた」
とか、一行ですまされてたり。
この厳しい修行時代があるから、主人公はちゃんと強くなる。
でも厳しさが本当の「厳しい」に見えないんすよね。
タイパを求める主人公みたいな人。「教わる側」。
コツコツ積み重ねて強くなってきた、師匠みたいな「教える側」。
噛み合うはずがないのよ。
早く強くなりたい主人公
「広告作りたいんですけど、刺さるワード教えてくださいよ」
コツコツ積み重ねてきた師匠
「それを教える前に、やってもらいたい仕事がまだまだあってね」
主人公からすれば、
「やる気があるのに、仕事を任せる気がない」
ってなるんでしょうね。
SNSで、10秒に1回ペースで流れる、それぞれの分野の、超必殺技たち
これに慣れた、タイパ重視の人。
現実的に
コツコツ積み重ねてきた人と、話が合うはずがない。
確実に自分を強くしてくれる「保証」があれば、話は別なんでしょうが。
テレビ番組でやってた企画。
「お母さんがきれいになる!」みたいなん、あるじゃないすか。
絶対に出てくる、若くてきれいな女性カリスマ美容師。
「へぇー」とか言いながら見てたけど、
画面には、その人がカットしたかわいい女性の画像が写し出される。
「ショートカットうまいやん!
ちゃんとモデルさんに合わせて切ってる!
若いのに、すごいやん!」
美容師の僕はテンションが上がる。
さて。お母さんがカットして変身しました。
娘さんは、まだ見ていません。
では、オーープン!!!
「おぉーーー、全く一緒のショートカット」
そのカットは、小顔ベースに切れば可愛くなるスタイルで、
お母さん、少し顔が大きめの方で、全く一緒のカットなもんやから。
顔が大きい人に、子供の帽子をちょこんと乗っけたような。
変身したお母さんが、旦那さんにも苦笑いされてた映像を、よく覚えている。
これが、「なぁ! 必殺技教えてくれよ」。
必殺技、効く相手、効かない相手の見極めが、
そう簡単ではないのね。
だから僕も、積み重ねて力を付けてから、
必殺技学んだ方がいいと思う「派」だ。
先輩が「伝える」必殺技を覚える前の会社でのコミュニケーション。
「これ、ここに動かしといてね」
これだと「言った」。
「これ、ここに置いておくと、みんな通れなくなるのと、
大きな荷物もたくさん行き来するから、こっちに動かしておく」
これは「伝えた」。
相手は、人が通る事も、荷物が行き来する事も理解がない。
動かす事に対して「必殺技を教えて欲しい」人は重要性がないから、メモを取る事もない。
「もぉーー、何回も言ってるのにーー。
全然わかってくれへんやーん!」
こんな先輩の声も聞こえてきそうだが。
本当に「言ってる」だけではないか。
伝える事を始めてみると、難しいことに気づく。
もちろん、伝え方に「必殺技」も存在するが、
まずはコツコツ向き合って、考える事で、土台は積み上がる。
今はまだ、その見直しの時代なのだろう。
この話を通じて、「師匠」のあなたも今、
「なぁ! 伝える必殺技教えてくれよ」になってませんか?
その気持ちになれたら、「主人公」の気持ちも理解したくなっている段階です。
その必殺技が身につくのも、案外近いかも知れませんね。
「ほっほー、ぼちぼち教えてもいい頃合いかも知れんな」
